「第62話『さよならカズクン』」

2007年5月10日。
我が家の大猫カズクンは他界しました。
推定22歳での大往生でした。

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まだタツオが高校生だった頃、他の家の放し飼いで近所をウロウロしてたカズクン。
最初は人見知りだったけど、徐々にその距離は縮まり、ある日、我が家に遊びに来たのです。

元の飼い主もたまに首輪を新調したりして、カズクンの所有権(?)を主張してたものの、我が家があまりに居心地がよかったのか、とうとう我が家からほとんど出なくなってしまいました。

元の飼い主が文句言ってきたら謝るしかないけど、言ってこないからいっかー。
みたいなノリで、なんとなくカズクンは我が家の住人になりました。

そもそもタツオの高校の先輩でもあるワタナベカズヒロって人のあだ名が「カズクン」だったことから、この大猫はカズクンって名前になりました。
メスなのにカズクン。

ワタナベカズヒロって人は、とにかく自由。
「親とケンカした」といってプチ家出。泊家に2週間滞在みたいな。

猫のカズクンも、とにかく自由。
フラリと我が家にやって来てエサを食べる。しばらく寝る。出て行く。次の日また来る、みたいな。

そんなわけで命名カズクン。異議なしです。

それから約20年。カズクンはずっと泊家に滞在し続けました。
エサが欲しいときはニャーと言って要求し、
のどが渇いたら、ニャーと言って水を要求。

そんな感じで。それから20年余り。

泊篤志がカズクンを題材にした「生態系カズクン」は劇作家協会新人戯曲賞を受賞して、北九州市民文化賞とかもいただいたりして。
カズクンのお陰で、飛ぶ劇的にも大きな弾みとなりました。


晩年はなんかわからんけどニャーニャー言ってみんなを起こしたりして。
もうボケたのかなあとか言われたりしてました。

ところで昨年、我が家に赤ちゃん猫がもらわれてやって来ました。
名前はポコ(デジマっていう名前で某サイトに公開されましたが我が家ではポコと呼ばれております)。

好奇心旺盛なポコだけど、カズクンはやや攻撃的。
相手は赤ちゃんなのに。

いや、でもどちらかというとポコの方がが好戦的な模様。カズクンは押され気味。

ごくたまにね。二人仲良く昼寝したりしてね。

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そんな中、カズクンにもいよいよ限界がやって来ました。
寝てる時間が長くなってきて、たまに歩いてもヨロヨロで。

死ぬ前の日、カズクンは外に出て行こうとしました。
もう体力も限界な感じで、ヨロヨロなのです。タツオも一緒に歩きました。
マンションの数軒先まで歩いて、もう限界。こっちをみて「ニャー」と鳴くカズクン。
とりあえず抱きかかえて帰りました。

その日の深夜、風呂場でカズクンは血を吐きました。
ポコも少なからず動揺してました。

次の日、もうヨロヨロなのに、カズクンは頑張ってタツオルームまでやって来ました。
途中、階段とかあるしね。あんたそりゃむりだろうってな距離をやって来ました。

何かタツオに言いたいことがあったのかもしれません。
タツオの部屋でしばしグッタリと横になるカズクン。

そして定位置でもある両親のベッドまで抱いて連れて行きました。

それからしばらくして、カズクンはそのベッドで血を吐いて息を引き取りました。

外に出て行こうとしたのは、一般的にいう猫の本能みたいなやつなのかな。
タツオルームまで必死にやって来たときは、何を言いたかったのかな。

何しろ相手は猫なので、わからないこともあるけれど。
とにかくカズクンは亡くなりました。

いろいろ調べて、火葬して骨壷に入れてもらって、位牌も作ってもらいました。

それから今日で49日。
きっと今も天国でイカサシをパクパク食べてるんじゃないかな。

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ありがとう。そして、さよならカズクン。