最近思い出すのは、昔の友達の事です。 それは小学四年生のとき近くのレンガ色のマンション2階に住んでいた女の子です。 彼女はとても変わった名前の女の子でした。 小学生の私は彼女の母親が翻訳関係の仕事をしていると聞き「やっぱり普通のサラリーマンと主婦の家の子供とは一味違ったセンスを持っている。」と考えてみる事で、とてもその名前に納得がいっていたのでした。 彼女自身もその名前にふさわしく、10歳というその年齢にしてはとても大人びた考えを持っていた子で、周りと上手くやっていくと同時に絶対にゆずらない何かも持っているようで、クラスの女の子の陰口や、噂話にはほとんど無頓着だったように思います。 私はその名前を思い浮かべては、自分の名前と比較して、「どうして私の親はこんな教科書にも出てくるような平凡な名前をつけたのだ。これでは平凡な人になってしまうではないか。」と恨んでいたのでした。 雨の日の私と彼女はよくゴム跳びをして遊んでいました。 本当は外でやりたいのですが雨なので出来ず、当時マンションの3階にあった私の家で下の住人に怒られながらビョンビョン跳んでいたのでした。 ですがよくよく考えてみると、私が彼女の家に入った事はなく、それはいつも「お母さんが家で仕事してるから」という理由で断られるのですが、そのような事情から自分の家に人を招く事が出来ない彼女に、人の立ち入る事の出来ない深い悲しみやら暗闇を勝手に想像し、これまた憧れていたのでした。 四年生の終わりに、彼女があまりにも優等生であるという浅はかな嫉妬から喧嘩をしかけ、それ以来彼女は私に心を開いてくれなくなりました。 はあ。 彼女は今、何をしているのでしょうか。 |