日記

主に藤原が書きます。

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「ゆるキャラ」2/8

ゆるキャラ、と呼ばれるものが好きで、これまでに、平成筑豊鉄道の「ちくまる」、あべのハルカスの「あべのべあ」、ゼスプリの「キウイブラザーズ」などのグッズを集めて来ました。そして最近ハマったのが、阪九フェリーのキャラクターである「ふねこ」です。
ふねこは、文字通り「ふね」と「ねこ」が合体したようなキャラクターで、フェリーを胴体に見立て、そこから亀のように、猫の顔、手、足、しっぽが生えています。口元に笑みを浮かべているのですが、若干歪んでおり、ニヒルな笑いに見える所がポイントです。

ゆるキャラの何が好きなのかと言うと、その見た目もさることながら、特定の何かを盛り上げたい、という意図を、ゆるさでごまかしている(ごまかせていない)感じが、どうにも好ましく感じられるからです。
「いや、うちのキャラクターは、盛り上げたいという意図をごまかしておりません。正面切って、盛り上げようとしています」という広報の方もおられましょうが、ではなぜ、そこにキャラクターを介入させるのか、という話で、それは、広報部の40代のおじさんが、正面切って「盛り上げます!」と言うより、キャラクターに言わせた方が、様々な面で効果的である、と知っているからです。
もちろん、キャラクターの部分に、芸能人などをあてはめても良いわけですが、そうせず、あえてゆるい見た目のキャラクターを起用した理由は何か、と考えた時に、予算の都合などもあるでしょうが、「意図をマイルドに伝えたい」という打算が働いている、というのが僕個人の見解です。
「うちの商品はすごく良いので買ってください!」と、よく知らないおじさんから言われても「考えておきます」としか言えないけれど、パッケージに描いたキャラクターに吹き出しをつけ、「おいしいよ」と言わせたら、かわいさというオブラートに包んで「買ってください」を伝えられるのです。そのパッケージを目にした者は「なんかかわいいな」と思い、キャラクターを愛でるため、つい商品を手に取り、しげしげと眺め、「やっぱりかわいいぞ」と思いが確信に変わり、最終的に「買おう」にすり替わるという寸法です。

また、ゆるキャラの特性として、「不安定さ」をかもしている点が挙げられます。ふねこの、このイラストを見てください。

ものすごく手足をばたつかせ、汗を飛ばしながら泳いでいます。「ちゃんと目的地まで泳げるのだろうか……」と不安になります。ふねこは最初に述べた通り、阪九フェリーのキャラクターなので、海運を盛り上げることを意図しています。阪九フェリーの輸送に対する信頼度が高いからこそ、ふねこの不安定さが活きるのです。いわゆる、ギャップ萌えです。手足をばたつかせて泳ぐふねこが愛おしく、「がんばれ!」と応援したくなります。一方で「いや、大丈夫。ちゃんと輸送してくれることは知っています」と、冷静な自分もいます。
だから、ゆるさでごまかしている(ごまかせていない)感じ、というのは当然狙いであり、僕はそれを知った上で、まんまと戦略にハマっているわけです。ウィンウィンの関係。

何が言いたいのかというと、大体2mm(藤原の演劇ユニット)で、太田カツキをゆるキャラとして起用できないかと考えているということで、今の所、僕以外のメンバーの賛同を得られておらず、なぜなら、太田カツキの見た目はゆるくないからです(不安定さは抜群です)。

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「妙な体調」1/6

あけましておめでとうございます。
今年も飛ぶ劇場をよろしくお願いします。

今週末、「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」を久留米で公演するため、昨日、2020年初稽古を行いました。北九州では、僕と、はやまんと、脇内君が日替わりで出演したのですが、久留米では脇内君が、日替わらず、両日ともに出演します。
その脇内君ですが、昨日の稽古は体調不良でお休みでした。そしてツイッターで、「妙な体調。」とつぶやいておりました。

「妙な体調って、なんか、いい響きだな」と、僕は思ったので、脇内君の体調も気にせず、「それは、新作のタイトルですか?」とコメントしました。
するとしばらくして、「大体2mm(藤原の主催団体)で上演してください」という内容の返信が、脇内君から返ってきました。
2020年の大体2mmの予定はすでに決まっているので、上演するとなると、ちょっと何年後になるかわからないのですが、以下、僕が考えた「妙な体調」です。

『妙な体調』
登場人物:隊長、副隊長、兵士達

  兵士達が行軍している。

兵士「隊長!」
隊長「どうした!」
兵士「副隊長の体調が妙です!」
隊長「何だって!?」
兵士「副隊長の体調が妙です!」
隊長「全体、止まれ!」

  兵士達、止まる。

隊長「副隊長はどこだっ!」

  副隊長、よろよろと現れる。

隊長「どうした、副隊長!?」
副隊長「すみません、ちょっと……」
隊長「奇襲かっ!?」

  兵士達、周囲を警戒する。

副隊長「ちがいます……」
隊長「ちがうのかっ!?」
副隊長「ちがいます……」
隊長「なんだ、はっきり言え!」
副隊長「ちょっと、体調が……」
隊長「私が何だ!」
副隊長「え……?」
隊長「何だ、私が!」
副隊長「ちがいます、隊長ではありません……」
隊長「ちがうのか!」
副隊長「ちがいます……」
隊長「なんだ、はっきり言え!」
副隊長「ですから、隊長ではなく、体調です……」
隊長「何だって!?」
副隊長「体調が、妙なんです……」
隊長「貴様、私を侮辱する気かっ!」

  隊長、副隊長に斬りかかろうとする。
  兵士達、隊長を止める。

兵士「隊長、落ち着いてください!」
隊長「落ち着いてなどいられるか! 名誉に関わるっ!」
兵士「副隊長は、隊長を侮辱したのではありません!」
隊長「ちがうのか!?」
副隊長「ちがいます……」
隊長「なんだ、はっきり言え!」
副隊長「ですから、私の体調です……」
隊長「お前の隊長は私だっ!」
副隊長「存じております……。ですから……」
隊長「なんだ、はっきり言え!」
兵士「隊長! 副隊長が言ったのは、副隊長の体調のことではないでしょうか!」
隊長「何だって!?」
兵士「副隊長の体調です!」
隊長「そうなのか!?」
副隊長「そうです……」
隊長「副隊長の、隊長……?」
副隊長「妙なんです……」

  隊長、考える。

兵士「隊長……?」
隊長「ちょっと今考えている!」
兵士「申し訳ありません!」
  
  隊長、考える。
  兵士達、それを待つ。

隊長「……卑猥な意味でか!?」

  間

隊長「おい!」
兵士「はい!」
隊長「質問に答えろ! それは、卑猥な意味でか!?」
兵士「……」

  間

隊長「それは、卑猥な意味での、それか!?」
兵士「……何がでありますか!?」
隊長「副隊長の隊長だ!」
兵士「……」

  間

兵士「……(よくわからず)もう一度お願いします!」
隊長「何度も言わせるな!」
兵士「申し訳ありません!」
隊長「自分で考えろ!」
兵士「……」

  兵士達、考える。

兵士「……わかりません!」
隊長「じゃあ、聞け!」
兵士「え……?」
隊長「聞け!」
兵士「隊長に……でありますか!?」
隊長「私に何度言わせるつもりだ!」
兵士「申し訳ありません!」
隊長「私以外には、奴しかいないだろう!」
兵士「副隊長、の、隊長に……ですか?」
隊長「副隊長に、だ!」
兵士「わかりました!(副隊長に)……卑猥なんですか?」
副隊長「私が、ですか……?」
隊長「卑猥なのか!?」

  副隊長、考える。

副隊長「卑猥か、卑猥でないか、と言われれば、卑猥な時には、卑猥です、人間だもの……」
兵士「ありがとうございます!(隊長に)隊長!」
隊長「どうだった!?」
兵士「報告します! 副隊長の体調が妙なのは、時と場合によりますが、卑猥な意味でのそれであります、人間だもの!」
隊長「わかった! 行軍続行!」
兵士「はいっ!」

  兵士達、去って行く。

副隊長「……」

  副隊長、よろよろとついて行くーー

大体2mm『妙な体調』
作:藤原達郎
出演:太田カツキ、ほか

何が言いたいのかというと、脇内君の、脇内君は、卑猥な意味でなく、きっと、脇内君なので、ハッピー、ラブリー、ポリティカル、の、久留米公演を、無事、脇内させることでしょう!(わっきーがんばれ!)

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「単調」12/13

「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」北九州公演が終わり、概ね、日常が戻ってきました。
仕事が年末進行で、その内容自体はばたばたしているのですが、僕の生活サイクルはひどく単調です。
ここ二週間の僕の行動は、「起床→鳥→ご飯→仕事→ご飯→仕事→帰宅→鳥→ご飯→スマホ→作業→読書→鳥→就寝」に集約されます。
「鳥」の回数が若干多いのですが、鳥とは、飼っている鳥と戯れている時間のことです。
「作業」は、主に文章を書いているのですが、最近では年賀状作成や、久留米公演に向けてのスタッフワークなども含んでいます。
基本的に家が好きで、休日もほとんど外出しません。子は子で友達と遊ぶし、妻は妻で友達と遊ぶので、僕は僕で友達と遊べばいいのですが、僕には普段遊ぶ友達は特になく、また別にそのことを嘆いてもおらず、「仕事」の部分が「スマホ」か「作業」か「鳥」に置き換わるだけです。
食って寝て鳥と戯れています。
ハレとケで言うとケの日々です。
ケはルーティンです。ルーティンは単調です。従って刺激的ではありません。
以前は刺激を求め、可能な限りハレの日を増やしたいと思っていましたが、最近はピンポイントのハレを目一杯楽しむために、ケのルーティンを充実させることに比重を置いています。
それは「ルーティンの単調さを愛でる」というようなことです。単調さに見出す充実は、ハレの刺激では得難い味わいがあると感じられるようになったからです。しかしそれは劇団という、ハレの日が定期的に訪れる環境に身を置いているからこそ感じられるものなのだと思います。流れに身をまかせているだけとも言えますが、それはそれで心地良く、わざわざ逆らう必要もなし、一概に悪いとも言い切れません。要は自分次第です。

飛ぶ劇場は年明けに久留米で公演します。そこに向け、着々と準備を進めていきます。
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「笑顔が足りない」11/18

「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」稽古も大詰めなのですが、先日の稽古で「藤原には笑顔が足りない」という、根本的なダメが出ました。
以下、その時の様子を、大幅にフィクションを交えて再現したモノです。

  [登場人物]藤原、泊、内山、秋山、桑島
  [場所]北九州市内の稽古場

  重苦しい空気。
  全員が頭を抱えている。

藤原「笑顔、ですか……」
泊「笑顔だよ……」
内山「笑顔ねえ……」
泊「どうしても、タツロウの笑顔を増やしたいんだ。でないと、『ハッピー、ラブリー、ポリティカル』なのに、ハッピーでも、ラブリーでもなくなってしまう……」
秋山「大変……」
藤原「これでも、けっこう笑ってるつもりなんですがね……」
内山「ちょっと、もう一回やってごらん……」
藤原「はい……」

  藤原、笑顔を作る。
  全員、唖然とする。

内山「それ、笑顔だったの……?」
藤原「まあ、はい……」
内山「どこが……?」
秋山「それ、笑顔だったんですか……?」
藤原「笑顔だよ。(威圧して)笑顔だろう……?」
秋山「(萎縮して)あ、はい……」
藤原「ほら、泊さん、笑顔なんですよ」
泊「威圧するんじゃない……」
藤原「すみません……。秋山、すまない……」
秋山「いえ、いいんです……」
内山「しかし、困ってるようにしか見えないわ……」
藤原「困る……?」
内山「それは、困ってる人の顔よ……」
藤原「笑ってるのに、笑顔が足りない、と言われ、困ってるんです……」
泊「困ってる様子を出しちゃだめだ……」
内山「ひょっとして……」
泊「何だい、ナオミ?」
内山「いや、これは、ちがうか……」
泊「どんな些細なことでもいい。ヒントになるかもしれないから、言ってごらん、ナオミ」
内山「ひょっとして、口角が上がってないんじゃない……?」 
全員「口角……?」
泊「そうか、口角か! すばらしいアイディアだ、ナオミ!」
秋山「口角ですよ、タツロウさん!」
内山「タツロウ、口角を、あげてごらん」
藤原「はい、わかりました」

  藤原、口角をあげる。

秋山「こわい……」
内山「こわすぎる……」
泊「目が、全然笑ってない……」
藤原「口角を上げろ、と言われたから、口角を上げたんです……。そりゃ、目は元のままですよ……」
泊「頼む、目も笑ってくれ……」
藤原「目も笑うって……、口角のように、上げるんですか?」
泊「上げれるものなら、上げてみてくれ……」
藤原「(上げようとして)上がりません……」
泊「だろうな……」
藤原「目って、どうやったら笑うんですか……?」
内山「わからないわ……」
泊「もはや、ここまでか……」
秋山「うえ~ん」
内山「泣かないで、秋山ちゃん……」

  そこに、桑島が颯爽と現れる。

桑島「やあやあ、みんな、おはよう」
秋山「あ、桑島さん!」
泊「おはようございます! 桑島さん!」
全員「おはようございます!」
桑島「どうしたんだい、みんな、浮かない顔をして」
泊「桑さん、笑顔の足りないタツロウに、どうかアドバイスをしてやってください……」
桑島「笑顔かい?」
内山「タツロウくんの、笑顔が足りないんです……」
秋山「このままじゃ、ハッピーでもラブリーでもなくなってしまいます……」
藤原「お願いします……」
桑島「ん……、そうだね、タツロウくんには、カベがあるね」
全員「カベ……?」
藤原「カベ、ですか……」
桑島「そう、全体的に、カベがある」
秋山「それは、物理的なカベですか?」
桑島「物理的なカベを持ち歩いてたら、それはもう、社会生活に支障をきたすだろう」
秋山「タツロウさんは、社会生活に支障をきたしているんです……」
藤原「いや、うん……」
内山「秋山ちゃん、それは実際、そうなんだけれど、今はそのことじゃないのよ……」
秋山「そうでしたか、すみません……」
桑島「カベはカベでも、抽象的なカベさ」
内山「それは、自意識のようなものですか?」
桑島「それもあるだろうし、他者に対する警戒心のようなものでもあるね」
泊「よし、タツロウ、カベをとっぱらうんだ!」
藤原「いや、そうは言っても、カベなんか、誰しもが持っているものじゃありませんか、ふっ……」

  と、藤原、自虐的に笑う。

秋山「あ、今、笑った」
内山「笑った! タツロウが笑った!」
藤原「そうか、これが、笑顔か! 泊さん、これが笑顔ですね!」
泊「たしかに笑った、が……、その笑顔は、ハッピーでもラブリーでもない……」
全員「え……?」
泊「そんな、自虐的な笑顔では、お客さんをハッピーでラブリーな気持ちにできないんだ……」
桑島「とても怪しい顔だったね」
藤原「えぇ、怪しさを出すの、得意なんです……」
泊「怪しさは今いらないんだっ……!」
内山「タツロウ、怪しさはいらないのよ……」
藤原「いらないのか、怪しさは……。ちくしょうっ! 一体、どうすれば……」
秋山「うえ~ん」
内山「泣かないで、秋山ちゃん……」
桑島「まあ、まあ、みんな、ちょっと休憩して、お菓子でも食べよう」

  桑島、カバンから様々な種類のお菓子を取り出す。

秋山「わあ、お菓子だ」
藤原「おいしそう」
泊「ちょうど、小腹がすいた所だったんです」
内山「さすが桑島さん」
全員「ありがとうございます!」
桑島「さあさあ、たんと召し上がれ」
全員「いただきまーす」

  みんな、お菓子を食べる。

藤原「やっぱりチョコレートは最高だね」
秋山「このクッキーも素敵だわ」
泊「おせんべいも捨てがたい旨味があるよ」
藤原「今度はこのサラミをいただこう……」
内山「ちょっと、食べ過ぎよ」
藤原「いいじゃないですか、お腹がすいているんですから……」
桑島「ほらほら、たくさんあるから、遠慮せずに」
全員「はーい」

  みんな、次々とお菓子を食べる。

秋山「あれ、タツロウさん、それ……」
藤原「なんだい……?」
秋山「今、笑顔ですよ……?」
全員「え……?」

  藤原、自然と笑顔がこぼれている。
  お菓子のカスもこぼれている。

秋山「ほら、笑ってる……」
泊「タツロウが、笑ってる……」
内山「口角だけでなく、目までちゃんと……」
泊「それだよ、タツロウ、それが笑顔さ!」
桑島「お菓子を食べて幸せだと思う気持ちが、笑顔に変わるのさ!」
藤原「そうか、これが笑顔かぁ!」
内山「これでハッピーでラブリーなお芝居になりそうね」
秋山「うえ~ん」
内山「泣かないで、秋山ちゃん……」
秋山「うれし涙ですよぅ……」
藤原「笑顔って、すばらしい!」
全員「あはははは、あはははは」

  全員、笑顔。

泊「よーし、お腹も膨れたし、この笑顔で、稽古再開だ!」
全員「はい!」

はたして本番、藤原には笑顔があふれているのか。いよいよ今週末「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」開幕! 乞うご期待!
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「ハッピー、ラブリー、ポリティカル、ライン」11/6

飛ぶ劇場の業務連絡は、ラインで行っています。
ラインをご存じない方のために、ラインの説明をしようと思ったのですが、ラインをご存じない方は、この日記も見ていないだろうから、ラインの説明は割愛します。
というわけで、飛ぶ劇場の団員はみんな、スマートフォンを持っており、ラインアプリをインストールしています。
しかし、ラインの機能をフル活用している団員は7割くらいで、残りの3割は、文字を打つ機能以外使っていません。というか、使えません。昨日も、稽古場で内山さんがスマホを片手に、「この返信をすんちゃんに送りたいんやけど、どうすればいいんかね?」と、すんに聞こえる距離で言っていました。言った方が早いです。
かく言う僕も、ラインの機能を活用できていない団員の一人です。僕はPCは仕事で使うので、ある程度慣れていますが、ラインはそれこそ、既読機能のあるメールくらいの感覚でしか使っていません。以前、お弁当用の食材がなくなり、妻に「弁当の具。」とラインしようとした所、誤って飛ぶ劇にラインしてしまい、昼時、団員から次々とお弁当の画像がアップされた過去を持ちます。

先日、泊さんから「『ハッピー、ラブリー、ポリティカル』のチラシデータを、飛ぶ劇ラインのアルバムに入れといて」という依頼が来ました。ラインで。
「……アルバム?」と、僕は思いました。僕はメールは使えるので、チラシデータを添付することはできるのですが、メールにアルバムなどという機能はなく、ライン内のどこにアルバムが存在するのか、把握できていません。
そもそもアルバムというのは、子どもの成長する姿などを写真におさめ、それを綴じておくための冊子、あるいは、歌手が楽曲をコンパクトディスクに録音し、紙のジャケットとともに販売する商品、というのが僕の認識であり、チラシデータを収納する場所ではありません。
ともかく、ラインには既読機能という、泊さんの依頼文を僕が読んだことが、泊さんにも伝わる仕組みがあるため、「アルバムにおさめられる自信はありませんが、やってみましょう」と返信しました。

その時、僕はベスト電器にいたのですが、立ち止まり、スマホの画面を見つめ、アルバム収納作業を開始しました。あの、スマホをにらみつけたままフリーズし、画面の手前で人差し指を漂わせている姿ほどマヌケなものはありません。完全にワーストな状態です。(うまいっ!)
僕はとりあえずチラシデータを選択し、四角の上の辺が途中で切れ、その切れた所から矢印が飛び出ているマークを押しました。このマークを押すと、メールやラインに添付できるのです。そして、ラインから、宛先を飛ぶ劇場に設定しました。この過程で、アルバムの文字が一言も出て来ません。
「どこで間違ったのだろう」と、僕はキャンセルボタンを押し、最初からやり直し、同じ工程を踏み、やり直し、工程を踏み、やり直し……と、同じ工程を4、5回踏み、アルバムを見つけられず、痺れを切らし、「もういい!」と送信ボタンを押しました。案の定、チラシデータはアルバムらしき場所には収納されませんでした。追加で「アルバムに入れようとしたんですが、入りませんでした。誰かお願いします。」と、ものすごくかっこ悪い文章を打ちました。秋山と中川裕可里が、無言で処理しました。

何が言いたいのかというと、ラインと格闘しながら稽古している飛ぶ劇場の「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」をどうぞよろしくお願いします。
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「Re:日替わり出演の記憶」10/23

飛ぶ劇場の公演では、作品にもよりますが、「日替わり出演」という枠があり、外部ゲストや、僕のようにあまり稽古に参加できない団員のために、数回の稽古で参加できそうな役を、泊さんが用意してくれます。
数回の稽古で参加「できそうな」役、という所がポイントで、できそうか、できなさそうかは、当然泊さんが判断するのですが、「これくらいならできるであろう」の基準が、公演を重ねるごとに上がってきており、その日替わり出演における難易度の変遷を、僕の記憶と偏見を頼りにお伝えしようと思います。

・vol.28「有限サーフライダー」(難易度1)
日替わり出演枠が初めて登場したのが、この「有限サーフライダー」です。海のお話で、メインキャストが全員半裸でした。
日替わり出演者(以下、日替わリスト)に渡された台本には、大まかな流れと、ポイントとなるセリフだけが記されており、基本的に何をやってもOKで、エチュードするような感じで参加できたので、こんな役を用意してもらえてありがたいなあ、と、楽しい楽しいで演じておりました。
ちなみに僕は、舞台上でうきわを膨らませようとし、肺活量が足らず、全然膨らみませんでした。

・vol.31「蛙先生」(難易度2)
コンビニのバックヤードのお話で、桑島さんの怪演が劇場内を震撼させた名作です。
日替わリストは万引き犯の役で、基本的には「有限サーフライダー」と同じく、何を盗んでも、しゃべっても自由だったので、楽しい楽しいで演じられたのですが、万引きを犯すというモラルと役者魂の間で生じる葛藤があったため、難易度2とさせていただきました。
ちなみに僕は、七味唐辛子を万引きし「誰であろうと、うどんをおいしく食べる権利はある」と主張しました。

・vol.32「工場S」(難易度1)
門司の廃工場を使って公演しました。
僕は日替わりでの遊び方を習得し、芦田愛菜ちゃんを好き勝手演じ、日替わリストの名を欲しいままにしました。

・vol.36「豚の骨」(難易度5)
泊さんのラーメン好きが高じてできた作品です。アフタートークを毎公演後行なったのですが、トークゲストに演劇関係者は一人もおらず、ラーメン関係者ばかりでした。
この頃から、日替わり出演の様子がおかしくなってきます。まず、がっつり台本にセリフが記載されています。そして、歌を歌います。さらに、一旦退場し、再登場します。つまり、セリフを覚えたり、何を歌うか考えたり、段取りを把握するなど、事前準備が大変なのです。
僕はその大変さをメインキャストに転化するため、当時劇団員だった青木君に壁ドンするなどしていじり倒しました。
あと「夜明けのスキャット」を歌った際、全員に歌詞カードを配布しました。

・vol.37「百年の港」(難易度3)
門司港の周年イベントの一環で行った公演です。
日替わり出演というより、前説でした。なのでやはり、言うことががっつり決まっています。
前説の最後に「まずはこの曲から始めましょう。『門司港港まつり音頭』です!」と言い、踊りとともに芝居が始まるのですが、「まずはこの曲から始めましょう。きゃりーぱみゅぱみゅで『ファッションモンスター』!」と言ってだだすべりました。

・vol.39『do-tan-ga-tang-sun』(難易度10)
泊さんは台本を日本語で書いたのですが、全編、日本語ではない、よくわからない言葉でしゃべるというルールがあり、僕はそれをなんとなくで置き換えることができず、よくわからないセリフを全部文字に起こし、覚えました。以下、自分用台本の抜粋です。

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ヌん、クンらドゥーらった。ムすこるてトリバードんアヴァサリタ? ライライ、ジャッツおぬるんごとバッしかシンくるにーじゃに。べ、ロロルータイだら「ウヌグッたル」ちセイあはん? 2体2体トリバード女ごと2体。鬼アイスロロルーばっしかシンくるにーじゃにトリバード。じゃーザマ。あん、クンらおんシンきっティンだらオンディにーども、トリバード基本アッパタッパにて、ブラ~ン、ブラ~ンおんりZEI。ジャーざまポヌぎってにーにー、やや。おんでヌん? ロロルータイぬ。おいンツ やいじゃニージャ ヌんシックニー。じゃっつオヌオヌヌヌチムナアZEI、クンらアオキむっつりもってりZEI。(青木、青木青木青木カツキ)
べ、れれダイハツて。べへ、めーべおんじゅん、ロロ。むーロンロンひぎじゃーみダイ。マッドドッグZEI。クンらフーリエマッドドッグZEI。べ、ショッツルぬっちって? ショッツルゆ、フルツーあら。クンらくむっつんど。どっとろショッツルゆ。フルツーめーべショッツルにーじゃに。ヌんギボンマッドドッグZEI。(キンザザ)
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これを家で夜な夜な覚えていて、具合が悪くなりました。
さらに、上記のようなセリフで二役演じ、ラストの布を使った大仕掛けにも関わるという活躍ぶりで、もはや日替わり出演ではなく、一日しかない通常出演でした。

そして、vol.41「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」にも、日替わリストとして出演します。
現時点でまだ台本は渡されていないのですが、二役演じることはほぼ決まっているらしく、難易度5以上を覚悟して臨みます。
どんな登場をするのか、お楽しみに!

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「block『カンパン』」9/16

子どもがクレヨンしんちゃんの映画が好きで、DVDをレンタルし、なんなら映画館にも行き、よく一緒に見ているのですが、僕は「嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」という、焼肉が食べたいだけの作品が一番好きで、シリーズには他にも感動巨編などがたくさんある中、なぜ焼肉が食べたいだけのこの作品なのかと聞かれても、趣味趣向がそっちを向いているのだから仕方がありません。

急にしんちゃんの話をしましたが、何が言いたいのかというと、タイトルにあるように、block「カンパン」の感想です。
団員の、しかも先輩の作品の感想を書くのは若干気が引けるのですが、面白かったので書きます。

「カンパン」は、「Re:北九州の記憶」という、北九州芸術劇場が行っている、地元の高齢者の方へのインタビューから演劇作品を立ち上げる企画があり、その企画に寺田さんが書いた短編戯曲が元になっており、今回、長編に書き換えたそうです(ちなみに僕は短編の方は未見です)。

第二次世界大戦後の間もない頃、母、その長女、次女という三人の家族が、米軍の倉庫から箱いっぱいのカンパンを盗んでしまい、それをどうするのか、という話です。前提として、みんな腹が減っている、という状況があります。
盗んだ食べ物をどうするか、と言って、真っ先に思いつく選択肢は、食べるか、返すかの二択です。この二択から、嘘をつく、言いわけする、ちょっとだけ食べる、独り占めする、隠す、隣人も巻き込む、後悔するなど、選択肢が派生し、カンパンをめぐる様々なやりとりが展開されます。
言ってしまえば、それだけの話です。オチはあるのですが、基本的に「盗んだカンパンをどうするのか」ということだけが問題となります。

このシンプルな話の何が面白いのかというと、カンパンをめぐる「やりとりそのものが面白い」という、この一点に尽きます。人間同士のやりとりを魅せることにおいて、演劇は他のメディアの追随を許しません。生身の人間が目の前にいるのですから、飛び散る汗から、カンパンの食いカスまで全部見えます。
母親はどうにかして娘達より多くカンパンを食おうとし、娘たちはそれを必死で阻止します。物理的に手を引っ張り足を引っ張り、七転八倒しながらケンカに近いやりとりまで行います。彼、彼女らは、自身の利益を得るために必死なのに、それを客観的に観ている我々には、その様がとても滑稽に映るのです。僕は腹を抱えて笑いました。

ハリウッド映画に顕著なように、起承転結のはっきりしている話では、冒頭で人物と状況の紹介があり、その後問題が発生し、それを解決し、さらに大きな問題が発生、解決、発生、解決……し、その過程で男女がいい仲になり、仲間の驚くべき裏切りがあったりし、どうにかこうにか危機を乗り越え、最後はハッピーエンド、というのが、いわゆる王道のストーリーです。
起承転結という話運びは、見る者に非常にわかりやすくストーリーを提供してくれます。なので、老若男女、幅広い層を対象としている場合によく採用されます。が、起承転結では取りこぼしてしまう要素があるのもまた事実です。

話を戻しますと、「カンパン」では、ストーリーの比重を減らし、やりとりの比重を極端に増やしています。それはまた、俳優の比重が大きい作品でもある、ということです。
「第二次世界大戦後の~」などとあらすじを書きましたが、それもセリフでは説明されません。衣装や音響などから、僕が勝手にイメージしただけです。この家族になぜ父親がいないのかも、劇中では一切説明されません。それらバックボーンの正確さは、この作品では大して重要ではないのです。何度でも言いますが、大事なのは「目の前で行われるやりとりそのもの」です。
夜寝るシーンで、娘達の布団はあるのに母親の布団がなかったり、近所の人が「家を間違えた」と言って入って来たりと、大胆な演劇のウソも随所で見られます。が、それも大した問題ではありません。この作品では、そこから派生するやりとりを見せたいからです(それらのウソを許容できるかどうかが、この作品にノれるかどうか、ということなんじゃないかと思います)。
逆に言うと、やりとりが魅力的でなかったら、引っ張ってくれるストーリーがない分、この類いの作品は全然面白くなりません。

僕がそうなのですが、俳優としての経験がベースにあるので、エチュードのような感じでセリフを書くんですね。設定だけ決めて、AさんとBさんに勝手にしゃべらせるんです。寺田さんもやはり俳優としての経験が豊富なので、面白いやりとりを作品に落とし込むのは得意なのだと思います。
俳優としての経験がベースにある作家は、ストーリーよりも、やりとりを重視した作品を書くことに長けている、というのが僕の持論なのですが、どうでしょうか。僕だけですかね、そう思うのは。

要はバランスの話だと思うのですが、ストーリーもやりとりも重視してしまうと、上演時間が伸び、観客の集中力が持ちません。だから大河ドラマのような演劇では、魅せたいシーンだけをピックアップし、そうでない部分はナレーションなどで省きます。歌舞伎もそうですよね。今回は義経千本桜の五段目をやります、みたいな。

僕にとって、「カンパン」の作品のバランスは、演劇的に、とても好みの塩梅だったのでした。

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「新作」9/11

せまい店内には肉を焼く煙が充満していた。目がしばしばする。気温も外より2~3度高い。カツキは慣れた感じで「二人ね」と店員に言い、中ほどのテーブル席に座った。ので、脇内も従って向かいの席に座った。
「なんか、暑くない?」
「エアコンの効きが悪いんだよ」
「大丈夫、ここ?」
「俺を信用しろって」
一番信用ならない言葉だった。カツキを信用してよかった試しがない。「うまい肉食いに行こうぜ」というカツキの誘いに乗ってしまい、案内されるがままついてきた店だった。元は白かった壁には煙とヤニが沁みつき、張られたポスターも変色し、扇風機の風にあおられ端がべろべろになっており、めくれた所から得体の知れない濁った色の汁が垂れていた。
店員がテーブルに七輪を置き、温度がさらに上がった。食べる前から脇内は帰りたくなった。この店で提供される肉がうまいとは思えない。椅子も固くて尻が落ち着かない。このまま立って出て行こうかと思ったが、カツキが去り際の店員に生ビールとタン塩を二人前注文してしまったので、そういうわけにもいかなくなった。
「よく来るの、ここ?」
「まあ、たまに」
「なんか、汚くない?」
「あ、そういうの気にする人?」と、カツキがカラフルな玉の連なったブレスレットをじゃらじゃらさせて言った。その言い方も態度もイラっとした。
秒でビールとタンが運ばれて来た。ビールはキンキンに冷えており、ジョッキに霜がついていた。タンには、これでもかというほど刻んだネギをまぶしてあり、本体は埋もれていた。とりあえず脇内とカツキは乾杯し、ネギをぼろぼろこぼしながらタンを七輪に乗せた。厨房から日本語ではない言葉でのやりとりが聞こえた。
「中国の人? 韓国の人?」
「なんかその辺の人」と、カツキは軽く炙っただけのタンを口に放り込み、くちゃくちゃしながら脇内の方を向いて親指を立てた。イラッ。
「本当にうまい?」
「まあ、まあ、だまされたと思って」
「……」脇内は少々焼き過ぎて反り返ったタンを小皿に取り、レモンをしぼって口に入れた。「何っ、この肉は……!?」

 大体2mm 2019年新作
 『穴場のタンです』
 出演:脇内圭、太田カツキ

何が言いたいのかというと、飛ぶ劇場vol.41「ハッピー、ラブリー、ポリティカル」の公演詳細を公開しました。

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「長い休み」8/25

お盆前に体調不良で入院しました。
草むしりをし、昼飯を食ったら全部口から出てしまい、その後も吐き気が止まらず、これ、熱中症なんじゃないか、と思って翌日、近所の内科に行き、血液検査をしたら白血球の数値が高く、さらにCT検査を受け、虫垂炎、いわゆる盲腸っぽいです、とのことで、そのまま紹介状をもらって大きい病院へ行き、その日のうちに手術しました。草むしりは関係ありませんでした。

「まあ、長めの盆休みだと思ってーー」と会社の方でも言ってくれ、俺は別に病院で休暇を過ごしたいわけじゃないんだ、と思いながらも、ありがたくお言葉に甘え、入退院を経て、そのまま盆休みに突入しました。

長い休みをもらったものの、あまり活動的な気分になれず、実家からも「帰って来なくていい」と言われ、ただただ家でじっとしていました。妻は親戚の集まりやら何やらで忙しく、子は子で夏休みのイベントがたくさんあり、家でじっとしているのは自分だけでした。なので飼っている鳥とよく戯れ、居間が糞まみれになりました。
しかし、笑っても、くしゃみをしても微妙に痛く、何をしても微妙に楽しくありません。微妙に、という所がポイントで、一見普通に何でもできるですが、中身が伴わないのです。傷口からは変な汁がじわじわ出ます。
元気じゃないと、自分の身体以外に興味が持てず、ニュースをあまり見なくなりました。世の物事に対して特に感想も抱かず、文句も出ない。それらは、贅沢、ということなのかもしれません。

お盆が明けてからは出社し、仕事をしぶしぶながらしています。だって仕事だから。しぶしぶした仕事なんかたいしたことないけれど、「数こなす」ということの大切さを教えてくれるのもまた仕事で、しぶしぶながらも数こなした結果、中身は伴わずとも、結果がついてきます。具体的には、次工程に回すのに必要な情報、製品、モノは仕上げられるということです。

翻って、創作活動はどうだろう、と、僕の場合は劇作ですが、微妙に中身が伴わないままに書いてみたら、全然楽しくなかったのですぐやめました。ここが仕事と、やりたいことの差、なのかもしれません。自分が楽しめないものを、お客さんが見て楽しいわけがない。

今は、腹から出る変な汁と共存する時なのでしょう。そして今後、体調不良との共存を強いられる機会が増えることは容易に想像できます。そうなった時、自分の外側に、どうアンテナを張っていくのか。また、自分の創作活動をどう継続していくのか。それまでに身体になじむくらいの数をこなすことができるのか。
答えは出ませんし、実際になってみないと何もわかりませんが、そういったことに思いをめぐらせるきっかけを与えられ、ぼんやりとながら、ずっと考え続けた8月でした。

何が言いたいのかと言うと、日記を書こう、と思える程度には回復したということです。
飛ぶ劇場は「銀河鉄道~」の沖縄での公演を終え、次は行橋に行きます。

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「チケット」7/16

先月、チケット不正転売禁止法が施行されましたね。
身近なところで言うと、演劇公演というのはお客さんに観てもらってなんぼのものでして、大体において、お客さんに作品を観るためのチケットを購入してもらい、そのお金で、主催者側は公演にかかった費用をまかなう、ということになっています。
そのチケットが、転売目的で大量に買い占められ、高額で売りに出されてしまうと、本来観て欲しい方々に観てもらえず、主催者は悲しい気持ちになります。人によっては憤りも覚えます。なので、取り締まることになり良かったのではないか、と、転売していた側の気持ちを知らない者としては思っています。
もちろん、より多くの方に観ていただきたいので、「無料で観れますよ」とふれ込んだ方が効果的なのですが、それでは公演にかかる費用のすべてを手出しせねばならず、何百万、下手したら何千万、何億とかかり、継続的な活動が困難なだけでなく、生活そのものが破綻し、一家離散、気を紛らわせるために酒を浴びるように飲み、仕事も手につかず借金は増える一方、あげくは禁止薬物に手を染め……、と大変悲惨な目に会うため、チケットを購入してでも観たい、と言ってくれる方を対象としているわけです。

では、演劇公演のチケット料金というのは、どのようにして決まるのでしょうか。
僕の作品を観たいと言ってくれる人を、100人として計算しようと思います。
規模が小さいですか? 小さいところでごちょごちょやっているものでして。サーセン。

僕は飛ぶ劇場に所属しているのですが、飛ぶ劇場は泊さんの作品を上演する団体なので、自分の作品を上演する「大体2mm」というふざけた名前の団体を別で持っていまして、前回、大体2mmで公演を打った時のチケット料金は2000円でした。
この2000円という金額は、北九州で主に活動している他の演劇団体をなんとなく眺め、この会場で2000円だったら、僕の公演にもお客さんが入るのではないか、入るとうれしいな、という所から設定した金額です。次回公演の予算を組む際、前回を参照すると、2000円×100人=20万円を基準に予算を組むことになります。

例えば、僕が「80万円の舞台装置を組むぞ」と言って、チケット料金を1万円に設定しても、たぶんお母さんくらいしか観に来ません。下手したらお母さんすら来ません。なぜなら、僕の作品を見るために1万円のチケットを買う人はいないからです。
したがって、「1万円×100人=100万円」で予算を組んでも、実際の収入はほとんどゼロのため、100万円の赤字です。

次に、「もっと多くの人に見てもらいたい」と言って、集客予定数を1万人に設定しても、やはりそんなに観に来ないと思います。なぜなら、悲しいけれど、僕の作品を観たい人は1万人もいないからです。
したがって、「2000円×1万人=2000万円」で予算を組んでも、実際に見に来てくれる人は100人なので、1980万円の赤字です。

しかし、「嵐が活動休止前に、どうしても俺の作品に出たいと言っている」という謎の状況が発生すると、1万円のチケットで1万人分集客できそうな気がします。したがって、「1万円×1万人=1億円」の予算が組めます。

ただ、ここで問題なのは、1万人中、僕の作品を見たいのは100人で、残りの9900人は、嵐が見たい人なんですね。しかもチケット料金は2000円ではなく1万円なので、ほぼ全員、お母さんも、嵐が見たくて来ます。
これは僕の望むところではないので、嵐がどうしても出たい、と言ってくれるのでない限り、やりません。
なので、やはり僕の作品を2000円で観たいと言ってくれる100人を基準に、他のもろもろを考えるべきなんですね。

嵐の例は極端ですが、さっきから基準にしている100人にも、公演関係者の持つお客さんが含まれています。だから僕が作、演出、出演、照明、音響、舞台、制作など、公演に関わる作業をすべて一人で行った場合、この100人という前提も崩れます。
とは言うものの、僕の作品の傾向として会話が必須で、会話するためには登場人物を二人出す必要があり、その会話をより複雑にするために、三人、四人……と登場人物が増えて行くんですね。あと他人を気遣うことが下手くそなので演出は藤本君にお願いしているし、仕込みで驚くほど戦力にならないため舞台製作は飯野さんにお願いしているし、公演当日緊張して棒のように動かなくなるから制作業務を誰かしらに願いしています。照明、音響も然り。だから、作品の傾向を大幅に変えない限り、前提は崩れません。

逆に、登場人物を1000人出せば、もっと集客を見込めるのではないか、と思います。1000人の出演者のそれぞれのお母さんが観にくるだけで、お客さんが1000人増えます。
しかし、もろもろの費用もそれなりに膨らむので、一概に収益がプラスされるとは限りません。なんならプラマイゼロでしょう。

というわけで、どうすれば自分の好きな作風を維持し、クオリティを上げつつ、チケット料金を抑えながら、10%ないし20%の集客アップが見込め、なおかつ黒字に持って行くか、ということで、みんな四苦八苦しているんですね。いや、聞いたわけではないので、想像でしかないのですが、そういうことなんじゃないかと思います。
そのために、劇団外からゲスト出演者を招いたり、芸術作品を助成してくれる団体に補助金の申請を行ったりしているのです。
以上を踏まえ、大体2mmの次回公演では、物販をがんばろうと思い、団体ロゴの入った猫タワーを17800円で販売する予定です。

何が言いたいのかと言うと、6月に行ったオーディションの結果、深月望加(みづきみか)が飛ぶ劇場に入団しました。

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「演劇観」6/23

「演劇に正解はない。けれど、失敗はある」と、これは南河内万歳一座の内藤さんから賜った金言でして、演劇に携わる上で僕が胸に刻んでいる言葉の一つです。僕の持っている演劇観は、過去に関わった様々なものから影響を受けており、それは演劇に限らず、マンガだとか、ハムスターだとか、職場の人間関係だとか、それらを含む、40年近い蓄積の中で形成されたものです。
とはいうものの、演劇観なので、演劇からの影響がほとんどです。

僕が演劇を始めたのは1996年でして、その頃は「静かな演劇」と呼ばれる潮流の真っ只中で、当然、僕も多大な影響を受けており、平田オリザさんや宮沢章夫さんの著作を読み漁り、手本としました。そして、いわゆる「関係性」を重視した演劇を志向しています。
スタートがそこなので、誤解を恐れずに言うと、僕には「一人芝居」の良さがよくわかっていません。
否定しているわけではありません。よくわかっていないのです。一人芝居を精力的に行っているタカキキカクさんの活動を応援していますし、飛ぶ劇でも泊さん、きむけん、はやまん、中川裕可里などは一人芝居を創作し、出演しています。イッセー尾形さんの舞台を拝見したことがありますが、大変面白く、腹を抱えて笑いました。
しかし、その面白みは出演者個人の「芸」だったり「華」と呼ばれるものの比重が大きいと思っており、もちろん、演劇性の中にそれらの要素は含まれているのですが、それは、僕の志向する性質のものではないんですね。
つまり、「芸」や「華」以外の演劇性を、一人芝居に見出すことができていない、ということです。

話のストーリーを追う、という意味では受け入れられるのですが、ストーリーを受容する限りにおいて、他のメディアに対して演劇が特別長けているとは思えず、ストーリーももちろん大事ですが、ストーリーに乗った上での、ストーリーではない部分に、演劇性を見出しており、それが相乗効果を生み、最終的に演劇的に面白いストーリーになると、そう思っているんです。

また、生身の人間がそこに立ち、肉声を発する、というのは演劇ならではですが、それは一人より、二人以上の方が魅力的だと思うのです。なぜなら、人間が二人いると、やりとりが生まれるわけで、「登場人物~観客」という往復のやりとりより、「登場人物A、B、C……~観客」という多角形のそれの方が、より複雑で、予測不能な要素が増すからです。すると、面白みの比重が「関係性」の方に傾いて行くんですね。
予測ができないということは、事前準備もできないということで、それこそが、演劇の最も優れた特性の一つであると、個人的には思っており、僕はその上で発生する化学変化、ひいては「うねり」を作り出すことに全力を注いでいると言っても過言ではありません。

作家の考えのアウトプットであれば、活字メディアの方が優れていて、上演より戯曲を読んだ方が良いと思うのです。同じく、出演者が観客、ないし相手役の反応を先取りした演技をしても、僕には何の面白みも感じられません。関係が死んでいるからです。
もちろん、このシーンで観客に驚いて欲しい、というような意図はあって当然です。シチュエーションコメディなどは特にそうでしょう。そこは巧妙に意図を隠すのが製作者の手腕です。

ただ、僕の場合、劇作という事前準備の段階に、その予測不能な要素を入れ込もうとした結果、「異常に覚えにくいセリフ」という負荷が発生しているのが現状です。
一例を挙げますと、これは旗揚げ公演の時のセリフですが、「何飲んでんの?」「え?」「それ、ビール?」「え?」「それ、ビール?」「何何?」「ビール、それ?」「え、ビール、うん……」「え?」「は?」「いや、え、ビールだけど……」「へえ」「へえ?」「あ、いや、うん」「何に見える?」「はい?」「これ、ビール、何に見える?」「え、ビール……」「え……、え何?」「は?」「いや、だからさ……」「ビールだよ?」「あぁ、うん、ビール、それビール」「あ、知ってた?」「知ってた」「え、知ってたの?」「知ってはいた」「え何?」「……おいしい?」「え、ビール?」みたいなやりとりを1時間分書きました。ちなみに三人の会話です。
「会話は言葉のキャッチボール」などと言いますが、センテンスを短くすることで、ボールを持っている時間も短くし、思考の入り込む余地を減らすことを意図したのですが、これは覚えやすさを一切考慮していません。というか、そこまで配慮が及んでいません。「俳優にセリフを覚えてもらわないことには、本番を迎えられない」という当たり前の部分が抜け落ちています。
なので、最近はもう少し覚えやすいセリフを書くよう意識しているのですが、それでも、出演してくれる俳優は毎回四苦八苦しています。もう、ごめんね! としか言いようがありません。

話が逸れましたが、それが僕の志向する演劇性です。

あともう一つ、2010年ごろにオリザさんがロボットの出演する演劇を製作し、心を持たないロボットが、生身の人間である観客を揺さぶることができると、作品を通して教えてくれました。僕は山口でその上演を観て、演じる側の内面というものは、観客にはあまり関係がないのだという認識を持つようになりました。だから、そのシーンで必要な身体、呼吸、セリフのトーンなどが再現できていれば、頭の中では「あ、ハムスターのエサ、買いに行かなきゃな」などと考えていても良いと思っています(伝える内容にはよると思います)。

一人芝居と同じく、内面を重視したメソッドも否定しているわけではありません。あくまで、自分が志向する演劇において、という話です。
僕が東京で所属していた研究所は新劇の老舗劇団のそれでして、近代~現代に至るメソッドを教わったのですが、新劇というのは内面の機微を表現するのに優れたメソッドを持っており、演じる側の内面が観る側にも伝わる、という考え方に基づいています(と認識しています)。そして現在も、その方法論で製作された演劇に観客は揺さぶられているわけで、昨年観た劇団しようよの「パフ」などは、そこから通じる「今」があると思い、有効性を改めて感じたのでした。

そういった蓄積の上に成り立つ何かを探っている、というのが、2019年現在の僕の演劇観です。もちろん、影響を受けた作品は他にも数多く存在しますが、ベースを形作っているのは上記のようなことではないかと思うのです。その上で、自分の趣向に合う演劇を、楽しく創作して行ければ、と思うのです。
逆に言えば、一人芝居にその何かを見出せば、一人芝居を作るでしょう。

と、ここまで書いて、こんな極端な持論を飛ぶ劇の日記で展開していいのかなと思い、事前に泊さんに見てもらってから公開しようと思います。(了承を得ました)

えっと、宣伝。飛ぶ劇場は沖縄と行橋で銀河鉄道を上演します。

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「効率と無駄」5/17

前回の日記ですが、自分で公演を打つ時の集客の10倍以上の方に読んでいただき、ツイートに関しては150倍くらいの方の目に触れたようです。それなりに時間をかけて書いた文章に反響があり、たくさんの方に読んでいただけたというのは大変うれしいことです。読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
しかし前回の日記は、オーディションの参加者を募ることが主旨であり、そっちの方の成果はかんばしくなかったため、再度、何か書こうと思います。

演劇というのは基本的にお金になりません。興行を目的とした商業ベースの演劇ももちろんありますが、飛ぶ劇場がやっているような、いわゆる「小劇場演劇」と呼ばれるものは、特にお金になりません。
親戚の集まりなんかに顔を出し、劇団に所属していることを伝えると、「それ、儲かるん?」と100%聞かれます。そして親戚一同から、「もっと将来のことを考えて行動しろ」などと散々説教を食らいます。
これは演劇活動をしている人なら誰もが経験することです。一般的な価値観として、活動の結果、利益の発生しないものは趣味でしかないからです。そして演劇は、趣味と言うにはあまりにも時間と労力とお金のかかる活動です。たしかに演劇で腹はふくれませんし、お金持ちになりたくて演劇を一生懸命する人はいません。

なぜ演劇がお金にならないのかというと、そもそもの目的が営利団体と異なるからです。会社のような組織は、利益を生むことが第一条件です。したがって効率が求められ、無駄は省かれます。金銭を得ることが目的です。
演劇には、生産だけでなく、表現という側面があります。個人的には、そこが一番だと思っています。そして表現は、日本の学校教育ではあまり教わりません。今はまた少し事情が変わっているのかもしれませんが、少なくとも、自分が子どもの頃はそうでした。

幼稚園や小学校で劇を上演する際、「生徒全員が横一列に並び、正面を向き、セリフを言う時に一歩前に出る」というフォーマットがあります。あれは、どの子も平等に目立ち、親御さんを楽しませることを最優先に考えられたフォーマットなので、出演する子どもに関係のない人が見て、あまり面白いと感じられるものではありません。なぜなら、人は普段、そんな風に並んで立たないし、しゃべる時に一歩前に出なくても、誰がしゃべっているのかわかるからです。要するに、第三者が見た時のリアリティに欠けるのです。
しかし、そのような劇しか経験していない子どもが、高校の文化祭などで劇を上演することになった時、やはり同じフォーマットを踏襲するのです。それしか方法を知らないから。僕には6つ年下の弟がいるのですが、弟の学園祭の劇はまさにそのフォーマットでしたし、数年前に見た息子の保育園の劇も、やはり同じでした。(先生方の苦労がしのばれます)

話が逸れましたが、何が言いたいのかと言うと、表現方法を習得するには、ああでもない、こうでもないと、トライアンドエラーを繰り返す必要があるため、たくさんの時間を費やすことになるのです。
たくさん時間を費やすということは、非効率的であり、無駄を生んでいるということです。会社組織でも時間を割いて新人教育を行いますが、それは将来的により多くの利益を得るための投資です。演劇の場合は、表現の習得が利益に直結するわけではなく、表現そのものが目的なのです。もちろん、公演の結果、利益が生まれるに越したことはなく、そのために制作スタッフは四苦八苦するのですが、それでも関係者に十分な給料の支払われることはマレです。また、公演を重ねることで練習時間が短縮させるわけでもなく、毎回同じだけの時間を要するため、効率の悪さはピカイチです。

結果だけを見ると効率の悪さと生産性の低さしか目立たず、親戚の集まりの時のような意見しか出ないのですが、多大に無駄な時間をかけ、表現方法を探るその過程自体がおもしろいのです。料理人が夜な夜な、厨房で新作メニューを考案する楽しさに似ているかもしれません。こればかりは実際に中に入り、体験しないことにはわかりません。
例えば、僕は劇作をしているのですが、上演時間が1~2時間の話を書くのに、大体半年くらいかかります。他の人と比べたことがないので、これが長いのか短いのか、よくわかりませんが、体感としては「すげえ長い」です。しかし、ああでもない、こうでもないと、書いては消しを繰り返し、ちょっとずつ練り上げて行く作業そのものが楽しいのです。つまらなかったらやりません。不毛なことをやっているのかもしれませんが、えてして、自身のための愉楽というのは、周りから見れば不毛なことばかりなのではないでしょうか。

人には多かれ少なかれ、表現欲求というものがあります。演劇の練習は、個人の表現したいことを、どうすれば第三者に効果的に伝えることができるのかという方法の追求に他なりません。だからコミュニケーションスキルとの親和性が高いのです。これは俳優に限らず、照明や音響といったスタッフワークにおいても同じですし、もっと言えば、音楽や絵画など他の表現にも通じます。

もとより、劇団という形体自体が非効率的で、なおかつ無駄を多分にはらんでいます。しかし、劇団でしか味わえない愉楽というのも、少なからずあるのです。これは経験から、そう言い切れます。
非効率的で無駄な営みが、製作する側にも、そして観る側にも愉楽を与えるのですから、表現というのはよくわからないし、おもしろい。

飛ぶ劇場はオーディションをします。興味のある方は、ぜひご参加ください。

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「演劇を続けるということ」4/22

6月に劇団員オーディションを行うので、自分のオーディションにまつわるエピソードを何か書こうと思ったのですが、そういうエピソードで記憶に残っているものは、過去に大体書いてしまい、どうしようかなと思って、それで、僕は飛ぶ劇場に入団して15年以上経ち、高校演劇から含めると20年以上続けているため、演劇を続けるということについて書こうと思います。

僕は高校の部活動で演劇を始め、以来、なんだかんだでずっと演劇に携わっています。ただ、演劇活動を通して金銭をいただくことはあまりないため、演劇活動で生計を立てているわけではありません。その活動の内容が素晴らしく、継続的に依頼が発生し、金銭を得て生計を立てることがプロフェッショナルの定義だとすれば、僕は演劇のプロフェッショナルではありません。では、プロフェッショナルでないにも関わらず、なんで20年以上も演劇を続けているのかといえば、ひとえに「好きだから」としか言いようがありません。

最初から同じ志で続けているわけではありません。一時期はプロフェッショナルの俳優になることを目指していましたが、やめました。好きは好きなのですが、好きの度合いには20年の間で当然波があり、成り行きで、今に至ります。嫌になったら辞めるわけで、続いているということは、少なくとも、辞めない程度にはずっと好きなのです。

二十歳前後の頃、プロの俳優になることを目標に上京し、演劇の研究所に入り、いくつかの舞台作品に出演しました。良い経験をたくさんさせていただいたのですが、ふと、「これは自分のやりたかった演劇活動だろうか」と疑問が生じました。自分の趣向との間に誤差があったんですね。
あと、俳優として生計を立てることを考えていたため、芸能プロダクションに所属し、様々なオーディションも受けました。例に漏れず、ことごとく落ち、たまにもらえる仕事は「浮気現場を彼女に押さえられ『あっ』という顔をする男」の役などで、自分の中での疑問はますます大きくなりました。「浮気現場を彼女に押さえられ『あっ』という顔をする男」の役は、立派な仕事です。オファーを受ける人がいなければ、作品が成立しません。需要と供給が一致した結果、そこに金銭が発生します。自分に対する需要が、理想とかけ離れていたというだけの話です。

あと、共演した50代の俳優さんで、あんな俳優さんになりたいなあと思っていた方がいたのですが、その方に、出演舞台が決まったので見に来てくださいと電話した所、「その週は、バイトが忙しくて……」と断られ、演劇活動で生計を立てるということの現実を見た気がしたのでした。
自分のやりたい演劇活動で生計を立てている者はほんの一握りです。また、活動を続けたからといって、必ずしも理想が現実になる保証もありません。自分には、50代になってもバイトを続けながら、そこを目指すだけの覚悟がなかったのです。

その時点で、自分の目標を修正しました。東京、や、いわゆるプロ、にしばられることなく、好きな劇団に所属し、好きな演劇活動を続けて行こう、と思ったのです。その頃にちょうど、飛ぶ劇場のオーディションがあることを知り、運良く入団できたという次第です。

ちょっと長いのですが、まだ、もう一山書きますね。

飛ぶ劇に入団した最初の年は、とにかく、可能な限り舞台作品に出演しました。好きな団体に所属できたのだから、好きを爆発させようと思ったのです。ちょうど北九州芸術劇場がオープンした年で、劇場の企画の出演オーディションなども重なり、年に12~3本の作品に出演しました。これまでやりたくてもできなかったことです。ありがたいことに出演料の発生する作品にもそれなりに参加させていただき、1年間でまあまあの金銭をいただきました。

しかし、これは自分でも驚きだったのですが、あんなに好きだったはずの演劇に、飽きたんですね。年に12本出演するということは、ほぼ毎日、休みなく演劇に携わるということで、経験してみて初めてわかったのですが、自分にとって、演劇というのはスペシャルなことで、それが生計を立てる手段であり、日常になるのは、自分のやりたい演劇活動ではなかったのです。
今だからこうして言語化できていますが、当時はぼんやりと「あれ、思ってたのとちがうな……」と感じていた程度で、とりあえず、「演劇じゃないこと」がやりたくなったんですね。
なので、演劇とは別に生計を立てる手段を持ち、演劇は、自分にとってスペシャルだと感じられる範囲で続けていこうと、入団して二年目で、さらに目標を修正したのでした。

その後、企業に就職し、家庭を持ち、紆余曲折あり、今は主に、劇作家として演劇活動を続けています。ほぼ毎日、何かしら書いていますが、飽きは来ていません。ちなみに、誰かから依頼されて書いているわけではないので、金銭は発生しません。一度賞をいただいたことがあるのですが、金銭が発生したのはその時だけです。ただ単に、好きで、ずっと書いています。

何が言いたいのかというと、演劇に限らず、自分に合うやり方で、好きな活動を続けることが大切なのではないかということです。
飛ぶ劇場はオーディションをします。様々な紆余曲折を経た、16名の団員が所属する劇団です。興味のある方は、是非ご参加ください。

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「マラカス」4/1

遅くなりましたが、ぶらり♪まちなか劇さんぽ2019参加作品「先生のお葬式」にご来場くださったみなさん、ありがとうございました。
僕がこの作品に出演するのは二回目でして、二回とも同じ役をしたのですが、二回とも太田カツキの私服を衣装にし、二回ともマラカスを振りました。
太田カツキの私服はファブリーズして返却したのですが、マラカスは僕がダイソーで購入したものでして、公演を終えた今となっては、誰にも振られることはなく、ひっそりと、自宅の階段の隅の物置のようなスペースにおさまっております。
しかし、階段を上り下りするたびに、マラカスに「振ってくれ」と言われているような気がして、なんとなく尻のあたりがむずむずし、落ち着かないのでした。

そこで僕は、自宅での、マラカスの新しい使用方法を考えることにしました。
マラカスの特徴は、何においても「振れば、鳴る」ということです。ダイソーで買った100円のマラカスなので、サンバの人達が鳴らす小気味好いシャカシャカという音ではなく、プラスチックの容器にBB弾がぶつかり合う、カチャカチャに近い音が、まあまあの音量で出ます。

まず、僕が考えたのは、「子どものおもちゃとしての再利用」です。前回は、そうしたのでした。子どもと、その友達は、100円のマラカスの耐久性など気にせず振り回すので、柄が折れたり、プラスチックが割れて中身のBB弾が出てきたりして、先代のマラカスは成仏しました。
そして今、子どもは10歳になっており、「ほら、マラカスだよ、どう?」と聞いても「いや、別に、いい」と、ユーチューブを見ながら無関心な返事が返ってきたため、時の流れの早さをしみじみと感じました。

次に僕が考えたのが、「振らない」という使用方法です。逆転の発想ですね。マラカスを、振らない。振らずにどうするのかというと、もう飾るしかないのですが、何しろダイソーで100円で購入したものなので、デザイン性に富んでいるわけでもなく、飾った所であまり見栄えしません。

最終的に「やはり、振って、鳴らそう」と思いました。ただ、楽器としてマラカスを利用する人は、うちには誰もいません。そこで着目したのが、「まあまあの音量が出る」という点です。そう、今、マラカスは、うちの寝室に置かれています。目覚ましとしての再利用です。朝、一番に目覚めた人が、マラカスを振って「朝だぞ、起きろ」と言いながら、他の者を起こすのです。なんだかマヌケで、素敵な朝ではありませんか。

先日、僕が一番に起きて、マラカス目覚ましを実行したのですが、「あのね、不愉快」と妻に怒られました。僕はしゅんとしました。
現在、次なる使用方法を考えている所です。

何が言いたいのかと言うと、飛ぶ劇場はオーディションをします。

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「体調」2/26

先日、体調を崩しました。
日中は外出していたのですが、どうにも調子が悪く、早々に帰って熱を測ると微熱があり、食欲もなく、夕方くらいから寝ました。

翌日、日曜だったので病院が開いておらず、ずっと寝ていました。微熱も続き、節々の痛みがありました。

さらに翌日、会社をお休みし、病院に行きました。僕は車の運転が下手なので、通常、移動は自転車なのですが、体調が悪いときくらいは車に乗った方がいいなと思いました。が、体調が良い時ですら運転があやういのに、体調が悪い時に運転すると、それこそ事故しかねないと思い、やはり自転車で行くことにしました。自転車に乗ると、前々日からずっと寝ていたため、腰が「ピキッ」となり、声が「ウッ」と出、自転車が「ギッ」ときしみました。

病院に着くと、厚着していたこともあり、汗がにじんでいました。受付の女性に「ちょっと、熱が出まして……」と伝えると、「では、熱を測ってください」と言われ、測りました。35.8度でした。
「あの、平熱でした……」と伝えると、「汗、かいてますか?」と言われ、「かいています」と言うと、「汗をかいていると、正確に計測できないので、汗がひいてから、もう一度測ってください」と言われ、あぁ、そういうことか、と思い、「はい」と答えました。
椅子に座ってじっとし、汗がひくのを待ちました。待っている間に頭痛がしてきました。頭痛で何も考えられず、水槽で熱帯魚が泳いでいるのを、ただただ眺めました。
しばらくして熱を測りました。36.2度でした。
「やっぱり、平熱でした……」と伝えると、受付の女性は笑顔をこちらに向け、「症状を詳しく教えてください」と言いました。そして、前々日、前日と、微熱があり、食欲がなく、節々の痛みがあったことを伝えました。「少々お待ちください」と、受付の女性は、奥の部屋へ引っ込んでいきました。

しばらく待っていると、診察室に通されました。お医者さんがいました。
「えっと、昨日、一昨日と、熱があったが、今はないと……」
「はい……」
「節々の痛みは、まだありますか?」
「今は……ありませんが、さきほど、自転車で腰をやりました」
「それは、いわゆる、風邪の諸症状による、節々の痛みですか……?」
「えっと、風邪の諸症状による、節々の痛み、ではありません……」
「倦怠感はありますか……?」
「倦怠感とは……?」
「体のだるさ、です」
「体はだるいですね。丸二日、寝ていたので……」
「喉の痛みや、咳、鼻水などは……?」
「ありません、が、さっきから頭痛が……」と言いながら、昨日、ずっと寝ていて、コーヒーを飲んでいないことを思い出しました。僕は毎日、けっこうな量のコーヒーを飲むので、しばらく飲まないと、頭痛がするのです。「頭痛がするのですが、カフェインが欠乏しているからかもしれません……」
「食欲は……?」
「お腹……空きました……」丸二日ろくに食べていないからです。
「では、今は、ずっと寝ていたことによる倦怠感があり、それに伴って自転車で腰をやり、カフェイン欠乏による頭痛がするが、平熱で、食欲もある、ということでよろしいですか……?」
「えっと、はい……」
葛根湯を処方されました。

帰り道、コンビニでコーヒーを買って飲むと、頭痛が消えました。
僕は元気です。

何が言いたいのかと言うと、元気な僕は、来月、リーディング公演に出演します。

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「『わたしの黒い電話』北九州公演を終えて」1/7

新年、あけましておめでとうございます。
今年も飛ぶ劇場をよろしくお願いします。

まずは2月上旬に、久留米での公演が予定されています。先月北九州で上演した「わたしの黒い電話」のツアー上演となります。僕はスタッフとして参加しているのですが、通し稽古や、北九州での公演を観劇した感想を書こうと思います。

泊さんの作品には、代表作「生態系カズクン」に顕著なように、しばしば「死者の側から見る生者」の視点が取り入れられています。観客である我々は当然生者であり(死者が見ていないとは言い切れませんが)、死者の視点に思いを巡らせることで、登場人物たちや、ひいては自分自身をとりまく現実を俯瞰します。
死は、誰にでも訪れる普遍的な問題でありながら、「明日、死ぬかもしれない」と思いながら生きている人は、現在の日本にはあまりいません。怖がらせることが目的ではなく、死を意識することで生を再認識する演劇体験であります。

(以下、ネタバレを含みます)

「わたしの黒い電話」では、文字通り、電話を媒介として、生者と死者がつながります。
柱と梁の骨組みで表現された装置は抽象性が高く、両端に設置された固定電話のみが、具体性を帯びています。舞台上では、九州にあるシェアハウスと、東北のあちこちの民宿とが、めまぐるしく入れ替わるため、「これは、いつ、どこで起こっていることなのだろう」と、目眩のような錯覚と、謎を伴いながら進行します。
「生と死」が物語の縦軸だとすれば、横軸は「錯覚と謎」であり、それは話を先へと導く推進力となります。よくわからないものを、よくわからないまま提示されても、観客は置いてけぼりをくらうだけで、興味は削がれるのですが、観客の理解の少し先を提示し続けることで、謎に対する興味を持続させます。錯覚と謎の扱い方には、デヴィッド・リンチを彷彿とさせるものがあり、泊さん自身、リンチ作品のファンであることを公言しており、その影響が垣間見えます。

「生と死」「錯覚と謎」などと、小難しい印象を与えがちですが、やり取りされる会話自体は軽妙で、稽古場では笑いが絶えませんでした。
あと、なまはげが出ます。なまはげの存在を軽妙と思うかどうかは人それぞれですが、顔の大きいなまはげが出ます。人の倍くらいのサイズの顔なので、出ハケが大変です。なまはげの面は太田カツキが製作を担当したのですが、本番の一週間前になっても完成せず、現状でいいからとりあえず持ってこいと指示し、そのクオリティに他の団員は納得せず、残りの数日間、みんなで協力してクオリティを上げたという代物です。なまはげが出て、暴れます。

今作で僕が最も魅力的に感じたのは、撒かれた謎を回収するその手つきです。
前半の推進力となった錯覚と謎を、中盤以降、一つ一つ丁寧に拾っていきます。生者はもちろん、死者も当たり前のように現れ(なまはげも現れ)、生きているのか死んでいるのかわからない者や、「マルホランドドライブ」に出てくるカウボーイのように、作品を横断するメタ的な存在まで現れ、謎の解明に寄与します。謎が解けていく手続きというものは、ご存知の通り、うまく機能すれば見る者に快感を与えます。リンチ作品の謎はわかりやすく解明はされませんが、泊作品では撒いた種をきれいに回収します。

謎が解けた結果立ち現れるのは、この世とあの世の境い目で、生と死で隔てられた男女が、電話線一本でつながるその姿です。劇中、青森のランプの宿に宿泊した人物が、その幻想的な夜景に見惚れ、「ガラス一枚隔てた向こうは死の世界」と表現するのですが、男と女がいるのは、まさにそのような場所です。泊さん自身、夢の中で、亡くなった母親からの電話を受けたことがあるそうで、その体験が元となって今回の作品が生まれたと、パンフレットに掲載した文章に綴っています。
男と女は、一緒に迎えることの叶わなかったクリスマスを、この世とあの世の境い目でやり直します。僕はこの舞台で、死の雰囲気をまとったクリスマスケーキというものを初めて見ました。男は賞味期限の切れたケーキを、パサパサだと文句を言いながら食べ続けるのですが、その場にはもう、女の姿はありません。ガラスの隔てた向こう側へ行ってしまったのです。セリフでは語られないその事実を、ここまでの手続きを経て観客は理解し、客席からはすすり泣きが漏れ聞こえてきました。見る者それぞれの意識の中に「生と死の境い目」が生じるのです。これが「演劇的に死を意識する」ということだと、僕は思いました。
女との関係をたしかめる黒電話のけたたましいベルは二度と鳴ることはなく、スマートフォンの無機質な着信音が鳴り響き、幕は下ります。

以上が、僕の思う「わたしの黒い電話」の感想なのですが、結局何がしたいのかと言うと、集客につなげようと必死なわけで、しかし久留米での公演を見るためにネタバレを懸念している人は、ここまで読んでいないんじゃないかという矛盾。

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「わたしの黒い電話」12/17

「わたしの黒い電話」北九州公演が終了しました。
ご来場くださったみなさん、ありがとうございました。
2月に久留米で公演しますので、そちらもどうぞよろしくお願いします。

片付けを終えた後、打上げ兼忘年会を行いました。
店のテレビで「西郷どん」が流れていて、今まで一度も見ていなかったのですが、せっかくなので見ました。店内はわいわいと賑やかで、音声は聞こえませんでした。
見始めてすぐ、西郷どんらしき人が銃撃にあってしまいました。達夫さんが、「俺、3話くらい前から、まだ見てないんだよね……」と言いました。
それから場面が切り替わって、犬が出てきました。たぶん、西郷どんの飼い犬です。コンちゃんが、「犬、犬」と言いました。
さらに場面が切り替わって、生き物の毛皮の上に、手紙のようなものが置かれました。おそらく、西郷どんの書いた手紙です。西郷どんの家族らしき人々が、神妙な面持ちで手紙を読んでします。コンちゃんが、「あの毛皮、さっきの犬かな……?」と言いました。コンちゃんの興味は犬にしかありません。
それからしばらく、おいしいおいしいと料理をつつきまして、ぱっとテレビを見ると、ひげでモジャモジャの人が、血をドバドバ流していました。秋山の前髪はパッツンパッツンでした。
西郷どんと、ひげでモジャモジャの人が死んでしまい、あともしかしたら西郷どんの犬が毛皮になってしまいました。
隣で見ていたすんが、鳥天を食いながら「え~、来週どうなるんですかね」と言いました。どう考えても最終回だろうと思いました。

何が言いたいのかというと、次から始まるのは「いだてん」です。

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「絵本」12/7

「わたしの黒い電話」本番まで10日を切りましたが、全然関係ないこと書きますね。
以前、不思議少年の大迫さんが、「絵本用の文章を書いたことある」と言っていたのをふと思い出し、僕も書いてみました。

「犬」

Aちゃんと、Bちゃんは、学校からの帰り道に、公園で遊んでいました。
そこに、おじさんが、犬を散歩させながらやってきました。

Aちゃんは、犬を見て、「犬だ!」と、犬に向かって言いました。
Bちゃんもそちらを見て、やはり「犬だ!」と言いました。
おじさんは、AちゃんとBちゃんの方を見て、にこにこしました。
犬は、「ワン」と吠えました。

AちゃんとBちゃんは、犬に駆け寄りました。
駆け寄ってくるAちゃんとBちゃんに驚いたのか、犬は、ワンワン吠えながら、むちゃくちゃに動きまわりました。
おじさんは、犬がどこかに行ってしまわないよう、リードをしっかり持ちました。
リードは、「ビンッ」と、めいっぱい、張りました。

Aちゃんは、おじさんに「犬、なでてもいい?」と聞きました。
おじさんは、「いいよ」と言いました。
Aちゃんは、犬の頭をなでました。
犬は、初めはおとなしく、Aちゃんに頭をなでられていましたが、そのうち、テンションが上がったのか、しっぽを激しく振りながら、Aちゃんの手や、腕や、顔を、べろべろなめました。
Aちゃんは、「くすぐったくて、くさい」と笑いました。
犬の舌は、唾液を分泌しました。

Bちゃんは、おじさんに「犬、かまない?」と聞きました。
おじさんは、「かむかもしれないし、かまないかもしれない」と言いました。
Bちゃんは、「え、かむの?」と聞き返しました。
おじさんは、「かむ可能性は、限りなく低い。けれど、ゼロではない」と言いました。
Bちゃんは、おじさんの言ってることがよくわかりませんでした。
おじさんのウエストポーチには、村上春樹の文庫本が入っていました。

Aちゃんは、「この犬、オス? メス?」と聞きました。
おじさんは、「オスだ」と言いました。
Aちゃんは、「オスかあ」と言いました。
おじさんは、「しかし、この犬は、去勢しているからね、いわゆる、オスの能力はないんだ」と言いました。
Bちゃんは、「誰にされたの?」と聞きました。
おじさんは、「医者」と言いました。
Bちゃんは「医者かあ」と言いました。
その時、近所の獣医さんが、くしゃみをしました。

おじさんは、「じゃあ、そろそろ行くね」と言い、立ち上がりました。
Aちゃんは、「犬、バイバイ!」と、犬に言いました。
犬は、「ワン」と吠えました。

おじさんは、行きかけて、振り返り、「この犬の名前は、ジョンだ」と言いました。
Aちゃんは、「ジョン!」と言いました。
おじさんは、「しかし、うちの隣に住む女は、ポールって呼ぶんだ」と言いました。
Aちゃんは、「ポール!」と言いました。
犬は、「ワン」と吠えました。

Bちゃんは、「ジョンなの? ポールなの?」と、おじさんに聞きました。
おじさんは、「ジョンだ。私が名付けたんだからね。しかし、隣に住む女が、あまりにもポール、ポールと呼ぶものだから、ジョンも、自分のことを、ポールだと思い込んでしまっているんだよ。今では、ジョンと呼んでも、振り向きもしない。こまったものさ……」と、ぶつぶつ言いました。
Bちゃんは、おじさんの言ってることがよくわかりませんでした。
おじさんの家の隣に住む女は、ビートルズのファンでした。

日が暮れてきたので、Aちゃんも、Bちゃんも、おじさんも、ポールだと思い込んでいるジョンも、隣に住む女も、近所の獣医さんも、村上春樹も、家に帰りました。

おしまい

何が言いたいのかと言うと、「わたしの黒い電話」公式キャンペーンソング「水曜日の男」を公開しました。
歌の内容は、本編とは一切関係ありません。

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「クリスマス」11/30

もうすぐクリスマスですね。
うちの子どもは、サンタさんの存在を信じているので、プレゼントがもらえるよう、12月になると、いわゆる「いい子」を心がけ、なるべく怒られないよう、行動に気をつけます。

実在するかどうかは別として、サンタさんが我々の家にプレゼントを配達してくれることはまずないので、事前に子どもの要望を聞き出し、プレゼントを用意するのは、親の役目です。

我が家では、願いをサンタさんに聞いてもらうという体で、欲しいものを絵に描いて掲示します。
去年の絵がこれです。

ニンテンドーのテレビゲームです。
近所のGEOで調達し、子どもが寝てから枕元に置きました。

ちなみに、僕も描いています。
サンタさんが実在するかどうかは別として、サンタ的な存在は実在するからです。
去年の絵がこれです。

ソニーのアイボです。
日本円に換算すると、198,000円+税です。
サンタ的な存在はあわてんぼうなのか、僕の枕元に置かれていたのは、これでした。

タミヤのメカドッグです。
似て非なるものでした。
お正月に組み立てて遊びました。

そして肝心の今年ですが、子どもの描いた絵はこれです。

ニンテンドーのテレビゲームと、ドローンです。
欲張りかよ。

僕の描いた絵がこれです。

ヤマハの防音室です。
日本円に換算すると、1,320,000円~のご相談です。
声が大きいので、近所迷惑を懸念したのです。
どんな似て非なるものが用意されるか、楽しみです。

何が言いたいのかと言うと、「わたしの黒い電話」北九州公演のアフターイベントは、劇団員の用意するクリスマスプレゼント抽選会です。

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「劇団しようよ『パフ』」11/6

先日、枝光のアイアンシアターで、京都の劇団しようよの「パフ」という作品を見てきて、よかったので、感想を書きます。

そのうち沈んでしまう島の話で、島を出て行く人や、金銭面や家庭の事情で、出て行こうにも行けないジレンマを抱えた人々を描いた作品です。チラシにはもっとちゃんとしたあらすじが載っていたと思いますが、今、手元にチラシがないので、ざっくり書きました。
あと「パフ」というタイトルですが、洋楽で同じタイトルの曲があり、それが元になっているようです。劇中、それらしき曲が流れるのですが、僕は聞いたことがなかったし、歌詞の意味も知りません。

好きな点が二つありまして、一つ目が、俳優の抑制の効いた演技です。島を出られない女性二人の葛藤を軸に、お話は展開していくのですが、二人とも、感情を表に出すことが悪いことであるかのように、自分を押し殺して生きています。二人の演技が全体のトーンを作り、派手さはないけれど、緊張感のある空気を作っています。
もう一つが、端折ることなく丁寧に見せる演出です。序盤、舞台となる民芸館が浸水し、テーブルや椅子がひっくり返っているのですが、それを元通りに戻す様を、ほぼ無言のまま、けっこうな時間をかけて、見せます。演劇の観客は、薄暗い空間の中、同じ姿勢でじっとしていることを強いられるため、変化の少ないものをしばらく見ていると、体調にもよりますが、寝ます。そのリスクを犯してまで、この作業を見せる意図は何なのだろう、と僕は思って見ていました。随所で、そのような丁寧さが見られます。

中盤、本土から来た自意識の強い女子大生が、イヤリングをなくすのですが、そのイヤリングを、島民の女性、今日子が見つけます。自分以外誰もいない部屋の中、周囲を気にしながらも、彼女はそのイヤリングを身につけ、浸水した水面に姿を映し、見惚れます。押し殺していた感情の噴出する瞬間です。すぐに現実に引き戻された今日子は、罪悪感に苛まれ、イヤリングをはずし、水面に向かってイヤリングを振りかぶります。振りかぶったまま、躊躇します。
ここは、捨てるか、盗むかの二択です。返す、という選択肢はありません。どっちだ、と見守ります。そして、今日子はふるえながら、そっと、エプロンのポケットにイヤリングをしまいます。これまでの丁寧な演出と、抑制の効いた演技が、ここでぐっと活きてきます。今日子の、微細な心情の揺らぎのようなものが見て取れるのです。このシーンで、僕はがっつり持っていかれました。

その後、周りの者が着々と離島の準備を進める中、今日子は、祖父の介護と、金銭的余裕のなさで、どうにも身動きがとれません。似た境遇にいたものの、なんとかお金を工面した留実が、「もう少し、自分を大切にしてもいいんじゃないか」と今日子に問います。今日子は、欲と現状の間で不安定に揺れながら、「自分よりも、大切にしたいものだってある」というようなことを言い、海に落ちていきます。そして、島を出ず、祖父の介護をしながら、自分も大切にする、という道を探ります。今日子には、それしかできないからです。それは不可能なことのように思えます。しかし、もしかしたら……という可能性を探って、祖父らしきものを背負った今日子が、海の真ん中に立ち、前を見据え、幕は閉じます。

作者の大原さんは、僕より10歳くらい若そうなのですが、随分と重厚な作品を作るのだな、と思いました。
もちろん、気になった点もあります。後出しじゃんけんと同じで、受けた側は、提供した側になんとでも言えるのです。端折ることで駆使した作品に対しては描ききれていないと言えるし、しっかり描いたら描いたで尺が長いとかポイントをしぼったほうがいいと言えます。これは前田さんの受け売りですが、弱点のない作品などありません。要は、その作品の強みが、弱点を気にさせないくらいの魅力を持っていれば良いのです。
僕は正直、問題と葛藤は私生活でいっぱいいっぱいで、それこそ演劇くらいは……と、すっからかんの人、もしくはどうでもいい側面しか見えない状況を、好んで描いています。それはそれで、どういう状況に置くのかとか、どうやって1時間なりの作品にするのかで悩むのですが、それはまた別の話。
深刻な問題や葛藤を扱ったお芝居で、僕はおそらく、その問題や葛藤自体にはあまり興味を示していません。私生活でいっぱいいっぱいだからです。興味があるのは、その状況におかれた人自身です。他者を理解するという行為を、観劇を通じて行っているのだと思います。他人の考えていることなんてわかりゃしません。笑顔で接している人が本心で笑っていることなんかほとんどないからです。1時間なり2時間の観劇を通じて、人間の複雑な表面からその本心の一端を垣間見るのが、僕にとっての観劇体験です。今回の「パフ」で言うと、その対象は今日子さんというキャラクターだったのですが、軽くでも、今日子さんという人に触れられたような気になれた、貴重な体験でした。

丁寧なお芝居を久しぶりに見ました。良い観劇体験でした。

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「えんぴつ」10/4

稽古場に着くと、秋山と泊さんがいました。
秋山が、だいぶ短くなったえんぴつで、稽古場の申請書類を書いていました。

泊「……それ、秋山の?」
秋山「何がですか?」
泊「えんぴつ」
秋山「あ、はい」
泊「……短くない?」
秋山「まあ、はい」
泊「短いよ」
秋山「でも、使えるんで、はい」
藤原「えんぴつ、持ち歩いてんの?」
秋山「良くないですか?」
藤原「何が?」
秋山「書き心地」
藤原「いいよ」
秋山「ですよね」
泊「でも短いよ」
秋山「え、まだ使えるから……」
藤原「……めんどうじゃない?」
秋山「持ち歩くの?」
藤原「削るの」
秋山「でも、書き心地、いいですよ?」
藤原「それは知ってるよ」
泊「にしても短いよ」

秋山が筆箱からえんぴつのキャップを取り出し、短いえんぴつにかぶせ、またとりました。

藤原「……めんどうだろ?」
秋山「削るのですか?」
藤原「削るのだよ」
秋山「私、こう、レバーをぐるぐる回すタイプのえんぴつ削り、欲しいんですよ」
泊「今は?」
秋山「えんぴつ自体を回す、ちっちゃいやつ」
藤原「あぁ」
泊「小学生みたい」
秋山「でも、まあ、そういうものだから……」
藤原「えんぴつの書き心地がいいのは、知ってんだよ、みんな。でも、削るの、めんどうだろう? 書き心地と、めんどうを天秤にかけて、大半の人はめんどうをとるんだよ」
秋山「へえ」
泊「何にしろ短いよ」
藤原「シャーペン、持ってないの?」
秋山「持ってます」
泊「あ、持ってんだ」
秋山「持ってます」
泊「ボールペンは?」
秋山「持ってます」
泊「へえ……」
秋山「泊さん、持ってないんですか?」
泊「俺は、筆入れ自体持ち歩かないから……」
秋山「へえ……」
藤原「……結局、どうなんだよ」
秋山「何が?」
藤原「削るの、めんどうじゃないの?」
秋山「いや、めんどうですよ」
藤原「めんどうなんだろ?」
秋山「めんどうですよ」
藤原「ほら、な? めんどうなんだよ」
秋山「知ってますよそんなの。何です、今さら……」
藤原「……なんだよ」
泊「まあ、まあ。とにかく、俺が言いたいのは、そのえんぴつは短いってことだよ」
秋山「……そうですかねえ」

秋山はキャップをえんぴつのお尻の部分に付け、持つ部分を長くし、書類の続きを書きました。

何が言いたいのかというと、「わたしの黒い電話」は10月6日(土)からチケット発売開始です。

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「読書感想文」(8/20)

子どもが夏休みでして、宿題として読書感想文の提出を求められています。自分が子どもの頃から、この宿題だけは変わらないなと思いながら見ていました。

読む本は自由です。うちの子どもは「ハーメルンの笛吹き男」を選びました。ネズミの大量発生に悩むハーメルンの街に、笛吹きおじさんがやって来て、ネズミ退治を買って出てくれたにもかかわらず、市長が難癖をつけて報酬を払わず、怒ったおじさんが笛を吹き、子ども達がついて行って、行方不明になるあれです。最終的におじさんと市長が和解し、子ども達も帰ってくる、マイルドなラストのバージョンでした。

「読書感想文の書き方」というプリントが配布されており、構成のフォーマットが記載されていました。
①自分がその本を選んだ理由
②本のあらすじ
③読んで自分が思ったこと
④今後の自分にどう活かしていくか
ざっくりとしか見ていませんが、大体そのような構成で書くことを推奨されています。原稿用紙を3枚もらっているので、1000~1200字程度でまとめましょう、ということです。

大多数の子どもがそうだと思うのですが、うちの子どもも読書感想文が苦手です。自分の頭の中で考えたことを、書き言葉に変換するのが下手くそなのです。その証拠に、インタビュー形式で「なんでこの本にしたの?」とか「どういう話か教えて」と聞くと、べらべらしゃべって教えてくれます。「いましゃべったことを書けばいいんだよ」と言っても、なかなかえんぴつが動きません。「なので」や「しかし」といった、話し言葉ではあまり必要のない、論を展開するつなぎの言葉を選択するのが苦手というのも、筆が進まない理由なのではないかと思います。

もう一つの問題として、「大人にいい印象を与えるものを書かなければならない」という先入観が邪魔しています。小学4年生なのですが、かなり社会性を帯びてきて、大人の顔色をうかがうようになりました。①の「本を選んだ理由」なのですが、本当は「ざんねんな生き物」という別の本のことを書こうとしていたらしいのですが、実家のじいちゃんに「この本にしなさい」と言われて選んだ本なのです。厳しいじいちゃんなのです。まあ、じいちゃんの厳しさはとりあえず置いておくとして、このような動機で選んだ本なので、悪い印象を与えないように、どう書いたらいいのかという所でつまずくのです。「そのまま書け」と言いました。

インタビューを繰り返しながら構成のフォーマットに当てはめていき、1時間以上かけて、④の「今後の自分にどう活かしていくか」にたどりつきました。「ハーメルンの笛吹き男」から、うちの子どもは「友達と遊ぶ時は、自分がドッジボールをしたい時でも、友達がテレビゲームがしたいと言えば、テレビゲームとドッジボールの両方をする」という結論を導き出しました。学校の読書感想文的に、この結論がアリなのかナシなのかは、僕にはわかりません。「ハーメルンの笛吹き男」を読み解いた上で、どう人生に活かしていくのかだったら、たぶんナシでしょう。が、1時間以上机に向かって、集中力のなくなった子どもにそれを指摘しても無駄だし、書き上げたという達成感を味わわせることを優先して、良しとしました。そもそも、自分が今、上記のフォーマットにのっとって感想文を書けといわれても、うまく書ける自信はありません。

何が言いたいのかと言うと、僕が主催する大体2mmという団体の公演が9月上旬にありますので、みんな見に来てね!(こういう話の構成が、僕は大好きです)

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「秋山ちゃんとワークショップしようよ会」7/5

昨日、「秋山ちゃんとワークショップしようよ会」が行なわれました。

「秋山ちゃんとワークショップしようよ会」というのは、飛ぶ劇の新人、秋山の、俳優としてのスキルアップを目的とした稽古のことで、7月からそういう稽古をしようと、5月だか6月くらいに決めたのですが、名前は別に決まっておらず、「秋山の稽古」「新人稽古」「稽古」「なんか稽古」「秋山のあれ」「伝授」などと言いたいように言っていたのですが、コンちゃんから飛ぶ劇のグループラインに「『秋山ちゃんとワークショップしようよ会』の出欠をとります」という連絡が来て、以来なんとなく、「秋山ちゃんとワークショップしようよ会」になりました。

稽古場に着くと、長机とイスが大量に設置された会議室のような稽古場で、コンちゃんと、キムケンと、桑さんが、お互いにものすごく離れた位置に座り、無言でスマホをいじっていて、この人達、仲悪いのかなと思いました。「おつかれさまです」と僕が稽古場に入ると、三人とも「おつかれさまです」と一旦顔を上げ、再びスマホに目を落とし、無言になりました。僕は誰とでも等しく接したいと常日頃から思っていて、まあ思っているだけで実行はしていないのですが、思うだけは思っていて、みんなから等しく距離をとったような席に座り、スマホを見るのも芸がないと思い、カバンに入れっぱなしにしていた文庫本を読みました。文庫本に夢中になっていると秋山がやってきて、やはり全員無言だったので、「こいつら仲悪い」と思っただろうなと思いました。

それから泊さんが来たり、わっきーが来たり、泊さんがパンを食べたり、キムケンがお菓子を食べたり、泊さんとわっきーがハンソロの話をしたり、キムケンがビーフジャーキーを食べたり、キムケンが食べてるのはすべて桑さんのものだったり、僕がホッチキスを留めるのに苦戦したりしました。

「秋山ちゃんとワークショップしようよ会」というネーミングはどうなんだろう、と僕は前から思っていて、それは泊さんも同じだったようで、「『秋山ちゃんとワークショップしようよ会』っていうネーミングは、どうよ」というようなことをコンちゃんに言いました。
「あれ、ダメでしたかね?」とコンちゃんが言いました。
「ダメじゃないけど」と泊さんが言いました。
「でも、あれですよ?『秋山、ちゃんとワークショップしようよ会』じゃなくて、『秋山ちゃん、と、ワークショップしようよ会』ですよ?」とコンちゃんが言いました。
「ん……」と泊さんが言い、黙りました。みんなもその後、何も言いませんでした。

それから、キムケン指導のもと、腹式呼吸をしたり、発声練習をしたり、泊さん指導のもと、テキストを使ってセリフを言ったり動いたり、2時間くらいみっちり稽古をし、「じゃあ、また来週」とお開きになりました。
秋山も、稽古前と稽古後では芝居ののびのび具合が変わり、やってよかったな、と思いました。
思ったのですが、コンちゃんが、「『秋山、ちゃんとワークショップしようよ会』じゃなくて、『秋山ちゃん、と、ワークショップしようよ会』ですよ?」と言った後の沈黙で、あんなに仲の悪そうだった人達が、「そこじゃないんだよ」という想いを一つにし、それを秋山とも共有できたことが、この日の一番の収穫だったんじゃないかと、個人的には思っています。
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「鳥と猫」6/28

前回、家の中で鳥を飛ばせていることを書いたのですが、最近は蒸し暑くなってきたので、ガラス戸を開け、網戸を閉めた状態で過ごしており、鳥も飛んでいます。
すると、網戸の辺りでチリンと鈴の音がしたので、見ると、猫がいました。じっと室内の様子を見ています。シュッとした利口そうな猫で、首輪もしているので飼い猫です。だからなのか、人と目が合っても逃げません。「これは、あれだ、鳥を狙っている」と僕は思いました。なぜなら、鳥が飛ぶと、猫の目線も同じ方に移動するからです。こればっかりはどうしようもありません。僕はガラス戸を閉め、エアコンのスイッチを入れ、猫が去るのを待ちました。しばらく網戸に身体をこすりつけたり、ナアナアと鳴いたりしていましたが、反応がないので飽きたのか、そのうちどこかに行きました。
数日後、まだ日の落ちていない時間に帰宅でき、鳥を飛ばせていると、網戸の前に猫がやってきました。同じ猫です。室内をじっと見ています。これは、うちに鳥がいることを、完全に覚えられてしまったな、と思いました。追い払うべきか、鳥カゴの場所を変えるべきか、などと対策を考えていると、友達と遊び終えた子どもが帰ってきました。
「何やってんの?」と子どもが言いました。
「猫がいるんだよ」と僕は網戸を指さしました。
子どもは猫を見て、「猫だ」と言いました。
「追い払ってくれよ」と僕は言いました。
「なんで?」
「鳥が、あれだろう」
「あれって?」
「猫にやられちゃうだろう」
「そうか、わかった」
子どもは玄関で靴を履き、忍び足で庭に周り、「どたどたどたー」と足音を言葉で表現しながら猫に駆け寄りました。びっくりした猫は、塀を飛び越え、隣の家の中に飛び込んで行きました。お隣さんの猫でした。お隣さんが庭に出てきて、子どもとなにやら話をし、子どもがお隣さんに「すいませんでした」と謝っていました。

帰ってきた子どもに、僕は謝りました。
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「鳥とハムスター」6/12

少し前から鳥を飼っています。ハムスターも飼っているのですが、鳥も飼い始めたのです。黄色い赤目のインコで、ルチノーという種類です。ルチヲを名付けました。性別は不明です。
赤ちゃんの頃から飼い始めたので、手などに乗ってきます。手乗りインコです。成長してからだと警戒して乗ってこないそうです。1日に1回はカゴから出し、家の中を飛ばせたり、触れ合ったりします。手に乗るとクチバシで指を噛んだりします。調子に乗ると痛い噛み方をします。調子に乗ったら鳴き声が変わるので、「あ、こいつ、調子に乗ったな」とわかります。帰宅が遅い時はご飯を食べながら触れ合うので、カラアゲを食べながら触れ合ったりします。
鳥が調子に乗ったらカゴに戻し、今度はハムスターと触れ合います。うちのハムスターはウシみたいな模様で、なんとかという種類なのですが忘れました。ハムスターは夜行性で、21時過ぎくらいに起きます。やはり1日に1回はケージから出して散歩させます。ハムスターは自ら人間に寄っては来ません。ひたすら家の中を歩き回ります。エサを差し出すと寄ってきます。エサをくれる人という認識はあるようで、指を噛まなくなりました。エサでおびき寄せ、手の上で転がしたりして触れ合います。帰宅が遅い時は鳥と同時にケージから出すので、ハムスターはただただ家の中を歩き回っている場合もあります。
鳥とハムスターが仲良くならないかなと、二匹を近づけてみたことがあるのですが、鳥が一方的にハムスターをつつき、ハムスターが逃げ、仲良くなりそうな雰囲気が微塵も感じられなかったので、あきらめました。

鳥とハムスターと触れ合うと、大体1時間くらいが経過します。
何が言いたいのかというと、毎日1時間も俺の相手をしてくれるのは、今や鳥とハムスターだけだということです。

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「オーディション」4/20

先日、飛ぶ劇場の劇団員オーディションを開催しました。飛ぶ劇のオーディションは、参加者だけでなく、既存の団員もまざって運動をしたり演技をしたりするので、ほとんどの団員が集います。

会場に着くと、太田カツキがいました。2018年になって初めて太田カツキに会いました。太田カツキは太っていました。
「髪、黒くしたんだね」
「いや、前から黒かったです」
「そうだっけ?」
「黒かったです」
「前って、どれくらい前?」
「だいぶ前ですけど、前、藤原さんに会った時には、もう黒かったです」
「そうだっけ?」
「黒かったです」
髪は前から黒かったそうです。今日の太田カツキは、目がチカチカする柄のシャツに、だぼだぼのズボンという出で立ちでした。写真を撮り忘れました。

「太田カツキ、太った?」
「太りました」
「どれくらい太った?」
「5キロ太りました」
「そんなに太った?」
「太りました」
「でも、前から太ってたよね?」
「そうですか?」
「太ってたよ」
「前っていつですか?」
「前、俺と会った時」
「その時は、そんなに太ってなかったです」
「そうだっけ?」
「太ってなかったです」
「太ってたと思うんだけど」
「そうですか?」
「太ってたような気がする」
「太ってなかったと思います」
「太り始めてたんじゃない?」
「太り始めてたかもしれませんが、そんなに太ってなかったです」
「太ってたような気がするんだよ」
「そうですか?」
「気がするだけかもしれないけどね」
「そんなに太ってなかったです」
「そうかなあ……」
前はそんなに太ってなかったそうです。昨年末に会った時には、太田カツキは奇抜な帽子をかぶっていたので、髪の色だとか、体型だとかには、全然目が行きませんでした。

中川ゆかりが「太田カツキのダイエット企画を考えているんです」と言いました。
「やせるの?」僕が聞きました。
「やせたいですねえ」太田カツキが言いました。
「でも、酒太りだろう?」
「そうですねえ」
「じゃあ、無理だよ」
「そうですかねえ」
「無理だよ」
「ですかねえ」
「酒、飲むだろう?」
「飲みますねえ」
「職場でも飲むだろう?」
「飲みますねえ」
「じゃあ、無理だよ」
「ですかねえ」
「やせたいの?」
「やせたいですねえ」
「酒は?」
「飲みますねえ」
「じゃあ無理だよ」
「ですかねえ」
「え、やめるの?」
「劇団ですか?」
「酒だよ」
「やめれないですねえ」
「じゃあ無理だよ」
「ですかねえ」
「まあ、思うのは自由だから」
「ですよねえ」
わっきーと泊さんが新しいパシフィックリムの話を始めたので、太田カツキの興味も、5キロ太った体も、黒くした髪も、そっちに移動しました。

何が言いたいのかというと、オーディションの結果、秋山実里が入団しました。

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「必要ありません」3/30

仕事柄、コンピュータを使って毎日作業をしているのですが、基本的に僕はあまりコンピュータに詳しくありません。普段使用しているソフト以外はほとんど扱えません。システムに関することとなるとお手上げです。

コンピュータにはウイルス対策ソフトが入っているのですが、先日、その更新を行いました。
詳しくない方のために説明しますと、ウイルス対策ソフトというのは常に新しいウイルスに対応する必要があるため、インターネットを通じて、日々バージョンアップを行います。なので一度買ったら終わりではなく、1年や3年ごとに契約の更新を行うのです。

契約更新の手続きを終えると、ソフトの販売会社からメールが届きました。が、メールの文面を見た限りでは、そのまま自動的に次年度以降もソフトが使用できるのか、こちらで何か、更新操作を行わなければならないのか、判断ができませんでした。

なので、僕はメールに記載のあった、販売会社のサポート窓口に電話をしました。

まずガイダンスが流れ、「現在、この番号は使用されておりません。今から言う番号にお掛け直しください。0**~」と新たな電話番号を伝えられました。僕は新たな番号をメモし、電話を切ました。

新たな番号に電話をかけ直しました。するとガイダンスが流れ、「お問い合わせの商品の番号をプッシュしてください。1番、◯◯~、△△~。2番、□□~」と商品名が次々と読み上げられました。使用しているウイルス対策ソフトは海外の商品なので、商品名はすべて英語です。僕は英語にもあまり詳しくないので、流暢に読み上げられると、どれが自分の使っている商品なのかわかりません。「もう一度お聞きになりたい場合は0番を~」と言われた時点で食い気味に0番を押し、もう一度ガイダンスを聞きました。やはりわかりません。「その他の場合は3番を押してください」と言っていたので、とりあえず3番を押しました。

ようやく人間につながりました。サポート窓口の担当者です。「更新の方法がわからなくてお電話したのですが……」と伝えると、「それでは、承認番号を教えてください」と言われました。メールの文面に、購入した商品に割り振られた8ケタの番号が記載されていたのです。番号を伝えると、「少々お待ちください」と言われ、保留音が流れました。米米クラブの「浪漫飛行」っぽい、浪漫飛行ではないメロディが流れました。

保留音を数十秒聞いていると、「お待たせしました」とサポートの担当者が帰ってきました。「申し訳ありません。こちらは次年度以降の承認番号となりますので、現在ご使用中の承認番号を教えてください」と言われました。伝えた番号が違いました。僕は現在使用中の8ケタの番号を調べ、再度担当者に伝えました。「少々お待ちください」と言われ、再び浪漫飛行っぽい浪漫飛行ではないメロディが流れました。さらに数十秒後、「お待たせしました。藤原さまですね」とサポート担当者が帰ってきました。ここで初めて、商品と僕が一致しました。

「それでは、技術の担当者におつなぎしますので、このまましばらくお待ちください」と言われ、3度目の浪漫飛行っぽいメロディを聞きました。いいかげん、覚えました。

保留音を数十秒聞き、技術の担当者につながりました。「お待たせしました。担当の◯◯です。藤原さまのお客様情報を確認させていただきます。藤原達郎さま、ご住所が、福岡県北九州市……、お電話番号が……」と、以前登録した個人情報の確認が行われました。「以上で、お間違えないでしょうか」
「はい」と僕は答えました。
「続きまして、今回のお問い合わせ番号を発行いたします」と言われました。お問い合わせ番号とは、再度この件でサポート窓口に電話したい時、冒頭でお問い合わせ番号を伝えると、上記の手間が省けるという、すぐれた番号です。「メモの準備はよろしいでしょうか」と言われ、12ケタのお問い合わせ番号を伝えられました。一応、メモしました。

「それでは、更新の手続きで、どのようなご質問でしょうか」と聞かれました。ここからが本題です。
「更新にあたって、何かこちらで操作が必要なのでしょうか」と僕は聞きました。
「必要ありません」と担当者は答えました。
「あ、そうなんですね」と僕は言いました。
「えぇ、必要ありません」と担当者は答えました。「以上で今回のご説明は終了となりますが、よろしかったでしょうか」
「えっと、そうですね、はい」僕は答えました。
「わからない点がありましたら、再度お電話ください。お問い合わせ番号は……」と12ケタの番号を復唱されました。「では、失礼いたします」と、丁寧に電話が切られました。

「必要ありません」の一言を聞くのに、15分かかりました。

飛ぶ劇場はオーディションをします。

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「間をとる」2/2

うちの子どもは漢字が苦手です。読むのも書くのも苦手です。漢字の読みを答える宿題の中に、「間をとる」という問題がありました。「アイダをとる」と「マをとる」、どっちだろうか、と一瞬迷いましたが、「マをとる」はあまり一般的じゃないんじゃないかと考え、「アイダをとる」だろうと思いました。演劇をやっている人は、「さっきのセリフ、もうちょっとマをとって」などと、比較的マをとらされることに慣れていますが、演劇をやっている人とやってない人だと、やっていない人の方が多いし、なおかつこれは小学3年生向けの宿題で、マをとらされたことのある小学3年生はさらに少ないのではないでしょうか。「アイダをとる」で間違いないだろうと僕は結論を出しました。

子どもは「間をとる」が読めませんでした。藤原家では、読めない漢字は辞書を引いて調べることになっています。漢字の宿題をする時、机の上には国語辞典と漢和辞典を用意してあるので、「辞書、引きな」と僕は言いました。子どもは漢和辞典を開き、画数から「間」を検索し、該当ページを開きました。読み方が載っています。子どもは「アイダをとる?」と、疑問符付きで答えを出しました。
「自信がないの?」と僕は聞きました。「アイダをとるってどういう意味?」と子どもは聞きました。言葉の意味がわからない場合、藤原家では辞書を引くことになっています。「辞書、引きな」と僕は言いました。子どもは国語辞典を開き、「間(アイダ)」のページを開きました。当然、アイダは載っていましたが、「アイダをとる」は載っていませんでした。
「載ってないよ」と子どもは言いました。「載ってないね」と僕は同意しました。藤原家では、辞書を引いても意味が載っていない場合、親が使用例を提示して、その言葉のニュアンスを伝えることにしています。腕の見せ所です。
「A君はカレーを食べたくて、B君はうどんを食べたい。カレー屋さんに行ったらB君が怒るし、うどん屋さんに行ったらA君が怒る。だから二人は、『間をとって』、カレーうどんのお店に行ったんだよ」と僕は言いました。けっこう良い例文が提示できたぞ、と満足しました。
そうしたら子どもが「資さんに行ったらいいんじゃない?」と言いました。「資さんに行ったら、カレーもうどんもあるから、A君もB君も満足じゃない?」
「……そうだね。資さんに、行けばいいね」と僕は言いました。「でも、まあ、『間をとる』ってことは、近くに資さんがない時に、カレーを食べたいA君と、うどんを食べたいB君が、カレーうどんを食べに行くってことなんだよ」と言いました。
「どこ?」と子どもが言いました。「資さん、けっこうどこにでもあるけど、それ、どこ?」と言いました。僕は「……岡山県。」と答えました。岡山県は僕の地元でして、資さんは一軒も見たことがないので、勢力は岡山県まで伸びていないはずです。「A君とB君は岡山県に住んでて、A君はカレー、B君はうどんを食べたくて、間をとって、カレーうどんを食べに行ったんだよ」
「はなまるうどんに行けば?」と子どもが言いました。「はなまるうどんにも、カレーとうどん、両方あるけど」
「……そうだね、はなまるうどんに、行けばいいね」と僕は言いました。はなまるうどんは、岡山県にあるうどんのチェーン店で、うちの子どもは実家に帰省した際、はなまるうどんでカレーを食べたことがあるのです。
「しかし、その、『間をとる』っていうのは、岡山在住のA君とB君が、アメリカに旅行に行った時、カレーを食べたいA君と、うどんを食べたいB君が、カレーうどんを食べに行くってことなんだよ」と僕は言いました。
「アメリカにカレーうどんのお店はあるの?」と子どもが言いました。
「探せばあるよ」と僕は答えました。
「探すの、大変じゃない?」と子どもが言いました。
「大変だけど、間をとったから、がんばって探すんだよ」と僕は答えました。
「ハンバーガーじゃダメなの?」と子どもが言いました。
「カレーとうどんの間に、ハンバーガーはないだろう?」と僕は答えました。
「アメリカに行ったんだから、アメリカのものを食べればいいのにね」と子どもは言い、次の問題にとりかかりました。
「……そうだね」と僕は答え、スマホで「間をとる」をインターネット検索しました。

【間をとる】
対象との距離を適切に保つこと。また複数のものから一つを選ばなければならない時に、それらの中間にあたるものを選ぶこと。例えば黒と白と灰色の選択肢があるとして、黒と白の中間にあたる灰色を選ぶといったようなことを指す。(日本語表現辞典 Weblio辞書 参照)

「色か……」と僕はつぶやきました。
数日後、先生に採点された宿題が返ってきました。「マをとる」が正解でした。
腑に落ちませんでした。

何が言いたいのかというと、飛ぶ劇場はオーディションをします。

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「do-tan-ga-tang-sun」12/5

いよいよ今週末、飛ぶ劇場の公演「do-tan-ga-tang-sun」が上演されます。「do-tan-ga-tang-sun」は、「どたんがたんぐすん」と読みます。

先日、稽古終わりに、わっきーの車で家の近くまで送ってもらいました。わっきーは最近、農家に就職しました。

「演劇は続けられそうなの?」
「そうですね。大体夕方には仕事終わるし、休みの融通もそれなりに利くんで、はい」
「よかったね」
「けど、夏がちょっと心配なんです」
「なんで?」
「トマトって、朝早いんですよ」
「トマト?」
「朝5時から収穫するんです」
「早いね」
「早いんです」
「じゃあ、4時起きとか?」
「そうですね」
「早いね」
「早いんです」
「稽古終わるのが、22時くらいだろ?」
「そうですね」
「で、家帰ったら23時」
「はい」
「ご飯食べたり、風呂入ったり」
「しますね」
「ちょっとくつろいだら、もう1時だろ?」
「はい」
「トマトの収穫は?」
「5時です」
「早いね」
「早いんです」
「じゃあ、4時起きとか?」
「そうですね」
「え、寝るのは?」
「1時ですかね」
「睡眠時間は?」
「3時間です」
「……キツくない?」
「キツイですね」
「え、トマトって何時から収穫するの?」
「5時です」
「6時で手を打てない?」
「打てませんね」
「トマトだもんね」
「そうですね」
「じゃあ、ねばって4時半起き?」
「ねばって4時半起きですね」
「寝るのは?」
「1時です」
「睡眠時間は?」
「ねばって3時間半ですね」
「キツくない?」
「キツイですね」
「何時間寝たい?」
「まあ、6時間くらい」
「寝たいよね」
「寝たいですね」
「欲を言えばもっと寝たいよね」
「そうですね」
「そこはまあ、我慢だよね」
「そうですね」
「じゃあまあ、1時に寝たとして、7時起き?」
「そうですね」
「え、トマ……」
「5時です」

何が言いたいのかというと、トマトの収穫は5時からです(わっきーがんばれ!)。

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「do-tan-ga-tang-sun」11/30

飛ぶ劇場の12月の公演「do-tan-ga-tang-sun」の稽古をしています。「do-tan-ga-tang-sun」は、「どたんがたんぐすん」と読みます。

スマホをいじりながら、「『エモい』って、どういうこと?」と寺田さんが言いました。寺田さんがSNSに書いたことに対して、「それ、エモいですね!」という内容の返信が来たそうです。「do-tan-ga-tang-sun」に参加しているメンバーはほぼ40代で、一番若い文目くんはまだ稽古場に着いていなかったため、「エモい」の意味を把握できている者がいません。
「キモいの仲間じゃないですか?」と僕が言いました。語感が似てるし、まあそんなもんだろうと思ったのです。「あぁ」と桑さんが同意しました。「あぁ?」と寺田さんが反発しました。これじゃあ寺田さんがキモいことになってしまいます。「え、俺、キモい?」と寺田さんが言いました。
「それは、まあ、人それぞれじゃないですか?」と僕が言いました。空気が凍りました。こういう時、僕は空気を読めません。
「そんなキモいこと書いたの?」とはやまんが寺田さんに言いました。こういう時、はやまんは気が利きます。寺田さんがスマホの画面をみんなに見せました。これと言ってキモい内容ではありませんでした。「キモいじゃないんじゃない?」と内山さんが言いました。「そうだね」とキムケンが同意しました。ただただ、僕が場を荒らしただけになりました。
「『エモいってよくわからないので、エロいでいいです』って返信しちゃったよ」と寺田さんが言いました。場がなごみました。たしかに、エモいとエロいも、語感が似ています。
「エモいって『エモーショナルな』とか、そういうことだろう?」と泊さんが言いました。みんな、「あぁ」と納得しました。「前から音楽を言葉で表現する時に使われてたよ」
「じゃあ、『情熱的』って意味が転じて、『アツい』みたいなことじゃない?」とはやまんが言いました。
「『それ、アツいですね!』って言われたってことか」と寺田さんが納得しました。
「だから、ほら、『エモ』の上位互換が、『エロ』だよ」とキムケンが言いました。
「『エモ』の上に、『エロ』があるの?」はやまんが言いました。
「『エモ』がほとばしって、『エロ』に達するだろ、なあ?」とキムケンが言いました。男性陣だけ、ニヤニヤしました。
「じゃあ、下は?」と桑さんが言いました。「エモの、下」
キムケンが「エコです、エコ」と言いました。適当。
「じゃあ、まあ、『エコ→エモ→エロ』ってことで」と寺田さんがまとめ、みんな、稽古の準備を始めました。男性陣だけ、妙にニヤニヤしていました。

小声でコンちゃんが「キモっ……」と言ったのを、僕は聞き逃しませんでした。

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「do-tan-ga-tang-sun」11/25

飛ぶ劇場の12月の公演「do-tan-ga-tang-sun」の稽古をしています。「do-tan-ga-tang-sun」は、「どたんがたんぐすん」と読みます。

僕が稽古場に着くと、寺田さんのお金が飛んで行った話をしていました。

コン「けっこうかかるんでしょ?」
寺田「打ったことないの?」
泊「数千円でしょ、大体」
内山「あれでしょ、1回じゃだめなんでしょ?」
寺田「そうなんですよ」
葉山「じゃ数千円数千円で一万円じゃん」
寺田「飛ぶよぉ、お金」
葉山「え~」
泊「まあ、打たないとわかんないけどね、実際」
コン「けど打ってたら、かかる確率下がるんですよ」
内山「どれくらい下がるの?」
コン「わかんないけど、50%が30%くらいにはなるんじゃない?」
内山「え、ベース50%?」
葉山「そんなにかかんないだろ」
コン「だから例えよ、例え」
木村「まあ、かかる時はかかるから」
藤原「パチンコの話ですか?」
全員「ちがう」

ちがいました。

泊「前聞いた話だと、神社でお参りするレベルらしいよ」
内山「え、そんなに低いの?」
コン「5%とか?」
寺田「神社のお参り、5%も叶わんだろ」
葉山「2%だよ、2%」
寺田「1%もねえよ」
コン「え~」
泊「まあ、まちまちだよね」
コン「けど、かかったとしても軽いでしょ?」
内山「どれくらい軽いの?」
コン「わかんないけど、普通が50として、45くらい?」
内山「だからなんでベース50なのよ」
コン「例えだって、例え」
葉山「5軽くするために、みんなやってんの?」
寺田「それくらいみんな、気ぃ使ってんだよ」
葉山「へえ~」
木村「実際わかんないよ。軽い時は軽いし、重い時は重いし」
藤原「FXの話ですか?」
全員「ちがう」

インフルの予防接種の話です。

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「do-tan-ga-tang-sun」11/21

飛ぶ劇場の12月の公演「do-tan-ga-tang-sun」の稽古をしています。「do-tan-ga-tang-sun」は、「どたんがたんぐすん」と読みます。

稽古の休憩中、泊さんが先日見に行った高木さんの一人芝居の話をキムケンにしていました。高木さんは飛ぶ劇の前の代表で、現在は紫川天国一座や個人で企画を立ち上げ、精力的に演劇活動を行っています。
そんな高木さんの一人芝居は、高木さんの娘が婚約者として火星人を連れてくる話だったそうです。残念ながら僕は見に行けていないのですが、泊さんとキムケンの話を横で楽しく聞いていました。
そしたら「あぁ、その話なら達郎が詳しいですよ」とキムケンが言いました。「僕、見に行けなかったんですよ」と僕は言いました。「いや、達郎なら詳しいはずだよ、なあ?」とキムケンが言いました。「あぁ、これは、あれだ、キムケンの後輩いびりだ」と僕は思いました。泊さんも聞く体勢に入ってしまいました。

以下、僕が考えた高木さんと火星人の話です。
ーーー父親である高木さんのもとへ、5年前にケンカしたまま家を出て行った娘が、「結婚したい人がいる」と言って連れてきたのが火星人だった。奥さんは全てを知っており、この場をセッティングしたのだ。高木さんは戸惑いながらも火星人の話を聞く。火星人は日本語が話せないのだが、自分の思っていることを直接相手の脳内にテレパシーで伝えることができる。逆もまた同じで、高木さんの思ってることを火星人は敏感に察知し、自分が歓迎されていないことを知って落ち込む。高木さんは「そんなことはない」と否定するのだが、脳内を察知されてはどうしようもない。流れで会社で不倫していることを奥さんにばらされ、怒った奥さんは出て行ってしまう。
奥さんのことはさておき、娘の説得もあり、覚悟を決めた高木さんは、腹を割って話し合おうと火星人と酒を酌み交わす。しかし火星人の体内にはアルコールを分解する酵素がなく、倒れてしまう。火星人とともに救急車に乗って病院に行くが、地球の病院では手の施しようがなく、火星の病院に行く必要があると医者に言われる。「この医者、何言ってんだ」と高木さんは怪しむのだが、その医者も実は地球の生活に溶け込んだ火星人だったのだ! 医者がデスクから取り出したリモコンのボタンを押すと、救急車がUFOに変形し、医者と、婚約者の火星人と、娘と、高木さんは火星に行く。UFOは高性能なので秒で火星に到着し、火星の病院の謎の治療方法(これがまた面白い!)によって婚約者の命は助かる。その場に居合わせた火星人の父親と高木さんは挨拶を交わす。そして火星人(父)はテレパシー能力で、高木さんの不倫が原因で奥さんが出て行ってしまったことを察知する。火星人(父)のもう一つの能力に、タイムスリップがある。火星人(父)の粋な計らいで、高木さんは会社の女性と不倫する前までタイムスリップし、女性との関係を終わらせ、現在に戻ってきた時には奥さんとの仲も元通りになっている。大団円。そして高木さんは娘の結婚に賛成するのだった。ーーー

高木さん、合ってますでしょうか。
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「do-tan-ga-tang-sun」11/7

飛ぶ劇場の12月の公演「do-tan-ga-tang-sun」の稽古をしています。「do-tan-ga-tang-sun」は、「どたんがたんぐすん」と読みます。

僕が稽古場に着くと、泊さんとキムケンが何か作品の感想を話していました。はやまんはスマホをいじり、桑さんは何かを食べていました。「◯◯高校がね、」と泊さんが言いました。「アンドロイドお母さんのやつですね」とキムケンが言いました。「そうそう、アンドロイドお母さん」
「コンピューターおばあちゃんみたいなことですか?」僕が聞きました。
「え?」泊さんが話の腰を折られてムッとしました。
「コンピューターおばあちゃん」僕はもう一度聞きました。
「コンピューターおばあちゃんではない」キムケンが言いました。
「アンドロイドお母さんは、コンピューターおばあちゃんに進化しないんですか?」
「しない」
コンピューターおばあちゃんは、NHK「みんなのうた」で流れていた人気曲で、ポップな曲調と、コンピューターと合体したおばあちゃんのことが僕は大好きだよと歌い上げる深い歌詞が特徴です。桑さんがコストコで買ったパンをくれました。僕はありがたくいただきました。桑さんはよく、何かくれます。
泊さんとキムケンはちょっと前にあった高校演劇の地区大会の話をしていて、その中に、アンドロイドお母さんの出て来る話があったのです。
「親子関係を、アンドロイドに置き換えて描いた作品でね」泊さんが言いました。
「県大会にも行くし、さらに磨きをかけてほしいですね」キムケンが言いました。
「ロボとーちゃんは出ないんですか?」僕が聞きました。
「は?」泊さんが話の腰を折られてムッとしました。
「ロボとーちゃん」
「ロボとーちゃんは出ない」
「アンドロイドお母さんは、ロボとーちゃんの妻じゃないんですか?」
「ちがう」
ロボとーちゃんは、劇場版クレヨンしんちゃんに出て来るロボの野原ひろしで、脚本は新感線の中島かずきさんです。はやまんは日本シリーズが面白すぎて、スマホに野球ゲームのアプリをダウンロードして夢中でした。
以下、僕が考えた、アンドロイドお母さんと、ロボとーちゃんと、コンピューターおばあちゃんによる会話です。

母「ガガ、ガーガガ、ガガガガーガガ、ガーーーーーー」
父「ギューギュギュ、ギョロロロ、ギュエエエエーーー」
祖母「ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

そのあと文目くんが、病気の時にいつもべちょべちょのイカを全力でぶん投げる夢を見るっていう気持ち悪い話をしました。

何が言いたいのかというと、今週末は文学サロンで銀河鉄道のリーディングをします。

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「do-tan-ga-tang-sun」10/30

飛ぶ劇場の12月の公演「do-tan-ga-tang-sun」の稽古が始まりました。「do-tan-ga-tang-sun」は、「どたんがたんぐすん」と読みます。
現時点で2回稽古したのですが、2回ともほぼ雑談していました。

僕が稽古場に着くと、キムケンが泊さんに何か作品の感想を話していました。はやまんはスマホをいじり、桑さんは何かを食べていました。「後半からね、ぐっと面白くなるんです」とキムケンが言いました。泊さんが「へえ」と言いました。「生きてたと思ってた人物が、実は死んでたんです」
「『関数ドミノ』ですか?」僕が聞きました。
「え?」キムケンが話の腰を折られてムッとしました。
「関数ドミノ」僕はもう一度聞きました。
「関数ドミノではない」泊さんが言いました。
「ちがうんですか?」
「ちがう」
関数ドミノは、ちょっと前に北九州芸術劇場で公演されたお芝居で、僕は見たいと思っていたけれど見られなかったのです。キムケンが話していたのは、関数ドミノではありませんでした。桑さんがチョコパイをくれました。僕はありがたくいただきました。桑さんはよく、何かくれます。
「仕掛けがね、うまいんです」キムケンが言いました。
「どううまいの?」泊さんが聞きました。
「過去と現在を行ったり来たりするんですが、」キムケンが立って、黒板で図説を始めました。「AとBとCがDがいて、過去と現在で、AとDが入れ替わるんです」
「へえ」
「途中まで入れ替わってることに気付かないんですが、わかってから、ぐっと面白くなるんです」
「『君の名は。』ですか?」僕が聞きました。
「は?」キムケンが話の腰を折られてムッとしました。
「君の名は。」
「君の名は。ではない」泊さんが言いました。
「ちがうんですか?」
「ちがう」
君の名は。は昨年大ヒットしたアニメ映画で、興行収入が「千と千尋の神隠し」を抜いたそうです。僕はまだ見ていないのですが、にわか知識で入れ替わるという設定だけ把握していました。はやまんはスマホをいじっていました。
「入れ替わりの仕掛けがうまいんですが、ん、ちょっと説明しづらいな」キムケンが、Aの上に山本、Dの上に中川と書きました。「仮に、山本と中川として、」
「それは、俳優の名前?」泊さんが聞きました。
「俳優の名前です。過去ではAを山本が演じるんですが、実は山本はDなんです」
「現在では、山本がDを演じるの?」
「でも、Aのようなポジションでしゃべるから、Aだと錯覚するんです」
「へえ」泊さんが言いました。
「Aは、実は死んでたんです」
「『シックス・センス』ですか?」僕です。
「ちがう」キムケンが食い気味に否定しました。
シックス・センスはM・ナイト・シャマランが監督した20年くらい前の映画で、和訳すると第六感です。
「『シックス・センス』に、山本なんて出てこないだろう?」泊さんが僕を諭すように言いました。
「はい」僕は反省しました。
「そういうことではない」キムケンが言いました。
「わかってます、ブルース・ウィルスが、山本(仮)ってことでしょう?」僕が言いました。
「いや、山本(仮)は生きてんだから、シックス・センスで言うと中川(仮)がブルース・ウィルスだよ」泊さんが言いました。
「シックス・センスで言わないでください」キムケンが言いました。
「え、中川(仮)が死んでたんですか?」僕。
「中川(仮)演じる、Dが死んでたんだよ」泊さん。
「死んでたのはA!」キムケンのツッコミにはキレがあります。
そのあと、遅れてきたコンちゃんが中二までサンタを信じてたことを暴露しました。

何が言いたいのかというと、キムケンが見たのは劇団言魂です。

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「稽古」8/28

またカズクンの稽古を見に行きました。
稽古場に着き、隅っこの椅子に座って稽古を見ていると、桑さんがクーラーボックスから紙コップとポカリスエットを出し、僕についでくれました。僕は会釈をして、ポカリスエットを飲みました。
それから桑さんがクーラーボックスからこんにゃくゼリーを出してくれました。こんにゃくゼリーはブドウ、桃、ナシと3種類の味が用意されていて、彩りも豊かでした。僕は会釈してこんにゃくゼリーを食べました。客演のはまもとさんが袖に来て、こんにゃくゼリーを食べ、舞台に戻って行きました。
しばらくすると桑さんの出番になって、桑さんが舞台に出て、一瞬で爆笑をかっさらい、また袖に戻ってきました。桑さんは僕の前に箱を出しました。箱の中を見ると、ビスコとか、おかきとか、豆とか、お菓子がたくさん入っていました。僕は会釈して、お菓子を食べました。オクラを乾燥させたお菓子がおいしくて、3つくらい食べてしまいました。はまもとさんがお菓子を2、3個見繕い、舞台に戻って行きました。
今日の稽古は、気になった箇所を泊さんが止めながら指示を出して修正するスタイルの稽古だったので、しばしば中断しました。中断したタイミングを見計らって、指示を受けている人以外が、お菓子を取りに来ました。青木くんがこんにゃくゼリーを食べに来ました。こんにゃくゼリーを食べながら、僕におじぎをしました。礼儀正しいのかなんなのかよくわかりませんでした。「この緑色のビスコがうまいんだよ」と言いながら、キムケンが舞台にビスコを持って行きました。稽古中のしゃべらないタイミングで、キムケンがビスコを食べました。それを見たはまもとさんが緑色のビスコを取りに来ました。わっきーも文目くんも緑色のビスコを取りました。僕も取りました。緑色のビスコがなくなりました。
お菓子をたくさん食べたので、僕は紙コップのポカリスエットを飲み干してしまいました。飲み干したタイミングを見計らって、桑さんがクーラーボックスから何やら缶ジュースを出してくれました。アルコール飲料のようにも見えました。僕はアルコールが苦手だし、稽古中なので、ジェスチャーで「それは結構です」と桑さんに伝えました。桑さんは缶の成分表示の部分を指差しました。「プリン体ゼロ」と書かれていました。僕はうなずいて「大事ですよね」と小声で言いました。桑さんは「大事」と言い、プリン体ゼロの何かを飲みました。

何が言いたいのかというと、カズクンの稽古は桑さんのおかげでケータリングが充実しています。
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「稽古」8/8

「生態系カズクン」は絶賛稽古中なので、先日、稽古場に遊びに行きました。
まず、家からJRの最寄り駅まで自転車で向かったのですが、家を出て2分でゲリラ豪雨に会い、びしょ濡れになりました。家に引き返しました。
びしょ濡れで玄関に入ると、子どもに「なんで?」と笑われ、「雨だよ」と答えたら、「なんで?」と笑われました。玄関で服を全部脱ぎ、シャワーを浴びました。金魚の柄のお気に入りの服で行こうと思っていたのに、びしょ濡れになったので、どうでもいい服に着替えました(何に着替えたのか全然覚えてない)。
なんだかテンションが下がり、うだうだしました。アイパッドを立ち上げて、ヤフーとか見ました。子どもがニンテンドー3DSでゲームしていたので、「それ、こっちにルイージかくれてるよ」とアドバイスしました。ゲームがスムーズに進みました。妻から「稽古、行くんやないん?」と言われ、「行くよ。行くけど、今ちょっと、ヤフー見てるから」とうだうだしました。そんな僕に愛想を尽かして妻と子どもはハウステンボスに行きました。
それからパソコンのメールをチェックし、ハムスターの水とエサを換え、一週間分のテレビの予約録画をして、「じゃあ、まあ、行くか」と独り言を言って家を出ました。雨はやんでいました。
また降るといけないから、自転車はやめました。傘を持ってバスで行くことにしました。この時点でもう稽古は始まっています。
バスに乗ると、中学生くらいの男子が3人、楽しそうに話していました。坊主頭の男子がハンドスピナーを取り出しました。指先でくるくる回す、あれです。坊主頭の男子がハンドスピナーを回しました。ハンドスピナーはよく回りました。隣に座ってた男子が「貸して」と言い、ハンドスピナーを回しました。隣の男子はハンドスピナーを持っていないのか、回すのが下手で、ハンドスピナーを落としました。ハンドスピナーは座席の下のどっかに入りました。男子三人はしゃがみこんでハンドスピナーを探しました。運転手が「危ないので、席に座ってください」とアナウンスしました。男子三人は座りました。僕はバスを降りました。
昼飯を食っていなかったので、稽古場の近くのイオンに行きました。そば屋が空いていたのでそば屋に入りました。牛丼を食べました。
イオンを出てすぐに、歯の間にご飯だか肉だかが詰まっていることに気づきました。爪楊枝をもらいに戻るのがめんどうで、舌でどうにかしようと顔面をぐねぐねしながら歩いたので戸畑区民に変に思われたかもしれません。稽古開始から2時間近く経った頃に稽古場に着きました。僕のさらに30分後、太田カツキが稽古場に着きました。

何が言いたいのかと言うと、バスでハンドスピナーを回すとなくします。
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「あるあるシティ」8/1

先週の日曜日、あるあるシティにマンガを買いに行きました。近所の本屋に欲しい本がなかったからです。近所に欲しい本がなかったら、大体アマゾンで買うのですが、500円分の図書カードを持っていたので、それを使おうと思ったのです。
日曜日ということもあり、あるあるシティは大繁盛で、メガネの男性、長髪を後ろで束ねた男性、アニメのキャラクターのTシャツを着た男性、アニメのキャラクターのTシャツを着た長髪でメガネの男性など、たくさんの人であふれ返っていました。かく言う僕もメガネでした。
すれ違うことすら困難で、小倉祇園の時の、クエストの前の人混みを思い出しました。並んで入場、並んでエスカレーター、並んで商品を閲覧、というような状況でした。
3階のメロンブックスという店に入ると、新刊の棚に平積みされていたので、目的のマンガはすぐに見つけることができました。レジも当然混んでいました。並んで待っている間に周囲を見回すと、女の子がパンチラしているイラストや、エロそうな同人誌がこれでもかと陳列されており、目のやり場に困りました。人として、エロいかエロくないかと言われればエロい方がいいと思っているのですが、イラストとは言え、祇園レベルの人混みでパンチラを凝視できるようなエロスを僕は持ち合わせていません。目のやり場に困り、アイポッドの電源をオンしました。でもアイポッドの電源を入れた所で視界は変わらないのでした。コーネリアスを聞きながら、パンチラしているイラストを眺めました。
5分以上待ち、ようやくレジの順番がまわって来て、レジの女性にマンガのバーコードを読み取ってもらい、図書カードと200円を出したら、「すいません、図書カード使えないんです」と言われました。僕はイヤホンを外して、「え?」と言うと、「図書カード、使えないんです」と改めて言われ、「あ、そうなんですね」と答え、図書カードと200円をしまい、1000円札で支払いを済ませました。

何が言いたいのかというと、「生態系カズクン」絶賛稽古中です!
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「カズクン」5/1

今年は飛ぶ劇場の創立30周年であり、本公演は「生態系カズクン」です。飛ぶ劇場の初期の代表作で、14年ぶりの再演となります。かく言う僕も、入団前、初めて見た飛ぶ劇場の作品はカズクンで、入団して最初に出演した作品もカズクンです。

僕が言うのもおこがましいのですが、ご存知ない方のために説明しますと、カズクンというのは、泊さんのご実家で飼っていた猫のことです。カズクンという名前なのですが、メスです。カズくんじゃなくてカズクンです。だからあえて付けるなら、カズクンちゃんです。「生態系カズクン」は泊さんがカズクンをモチーフに書いた作品です。

もう亡くなってしまったのですが、たいへん長寿な猫で、僕はカズクンに会ったことがあります。
公演会場で販売するCDの録音をするため、泊さんの実家を訪れました。当時、達夫さんが実家に住んでいたからです。日曜日か何かだったと思うのですが、ご両親は外出されていて、達夫さんだけが家にいたと記憶しています。「カズクン、見る?」と達夫さんに聞かれて、「はい」と答えました。夏の暑い日で、居間に涼しげな素材の寝椅子が置いてあり、その寝椅子の下に、カズクンが座っていました。僕は居間に這いつくばって、カズクンを見ました。会った時にはもうずいぶんなおばあさん猫だったのですが、白い毛のきれいな猫でした。微動だにせず、じっと目を合わせていました。「こんにちは」と僕が言っても、微動だにしませんでした。「はじめまして、藤原です」と言っても、目を合わせたままじっとしていました。にゃあとか言わないかなと思って僕も這いつくばったままじっと見ていたのですが、「あんまり見てると、ひっかかれるよ」と達夫さんに言われ、こわくてやめました。
それが僕とカズクンの思い出です。そのあと達夫さんの部屋に行き、「どいつもこいつも乳狙い」という男はみんな女性のおっぱいが好きだということが高らかに歌い上げられる曲の中で「Oh!」という叫び声を一言録音して帰りました。

何が言いたいのかと言うと、「生態系カズクン」の出演者オーディションをしますので、興味のある方は是非ご参加ください。

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「劇トツ」3/20

昨日、劇トツを見に行きました。ヒロシ軍、おめでとうございます。夏の公演も楽しみにしています。
鳴かず飛ばずという劇団が参加していたのですが、以下、鳴かず飛ばずを見ていて思いついた20秒くらいの台本です。

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『教室』

[登場人物]
生徒
先生

キンコンカンコン。(SE)
教室。
椅子だけがある。
生徒がいる。
机に向かって勉強するジェスチャー。

生徒 赤点とったから補習だあ。早く帰りたいなあ。

先生、来る。
教室のドアをあけるジェスチャー。

先生 (ドアに手をかけ)がらがらがらがらがら…
生徒 起立。

生徒、立つ。

先生 がらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがら…
生徒 …

生徒、先生を目で追う。

先生 がらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがらがら…
生徒 …

先生、舞台から見えなくなる。
生徒、目で追う。
終わり。

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来年の劇トツ×20秒にこの作品で参加します。

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「ハムスター」3/16

「ただいま。」と子どもがと友達の家から帰ってくると、手の上で白くてちょろちょろ動いているものが見えました。「それ何?」と聞くと、「ハムスター。」と言いました。「どうしたの?」の聞くと、「飼おうと思って。」と言いました。「◯◯君の家の?」と聞くと、「エサはなんでもいいって。」と教えてくれました。「返しておいで。」と言うと、「わかった。」と出かけて行きました。

しばらくして子どもが「ただいま。」と帰ってきました。虫カゴにハムスターが2匹入っていました。「どうしたの?」の聞くと、「虫カゴでも飼えるって。」と言いました。「増えたけど。」と聞くと、「昼に寝て、夜起きるんよ。」と教えてくれました。「返しておいで。」と言うと、「わかった。」と出かけて行きました。

しばらくして子どもが「ただいま。」と帰ってきました。虫カゴの中に草がしきつめられ、ハムスターがメシを食っていました。「どうしたの?」と聞くと、「この草がベッドになるんよ。」と教えてくれました。「なんか食ってるけど。」と言うと、「ヒマワリのタネ。」と教えてくれました。「返しておいで。」と言うと、「名探偵コナンが始まる。」とテレビをつけました。埒があかないと思って、奥さんの帰宅を待ちました。

ハムスターを飼い始めました。

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「モビール」2/9

家にモビールを飾りました。妻への誕生日プレゼントという名目で、ここだけの話、自分がほしくて買いました。森見登美彦さんの「ペンギンハイウェイ」に、歯医者にモビールがぶら下がっていて、ゆるゆると動く描写があり、それがとても素敵だったので、自分ちにも飾れないだろうかと考えたのです。

今までモビールを買おうと思ったことがなかったので、まずネットで検索しました。ピンキリですが、2000円くらいから販売されており、いい物になれば1万円を超えました。
それからおもちゃ屋さんに行きました。誕生日がせまっていて、ネットで注文すると間に合わない可能性があったのです。しかし、おもちゃ屋さんに置いているのは赤ちゃんをあやすためのモビールばかりで、大人が鑑賞するためのものは置いていませんでした。

手ぶらで妻の誕生日を迎えました。ハッピーバースデーの歌を歌い、ケーキのロウソクを吹き消し、「おめでとう。」と拍手をし、プレゼントを出すタイミングでスマホの画面を見せ、「こういうのをプレゼントしようと思うんだけれど、どれがいい?」と聞きました。妻はあきれましたが、もうけっこうそういう事を過去にもしてしまっているので、慣れています。慣れたと思いたい。あきらめの境地に達しているので、気分を切り替えた妻はモビールを選びました。スマホを見ながら「気球か魚のモビールがいい。」と言いました。僕は魚の方がよかったので、「じゃあ魚で。」と言いました。

数日後、魚のモビールが届きました。再度ハッピーバースデーの歌を歌い、「おめでとう。」と妻に渡しました。箱を開けると、ほっそいハリガネだかワイヤーの先に、ぺらっぺらの紙の魚が5、6匹くっついています。もうちょっと重量感のあるものをイメージしていたので、若干心許なさを感じましたが、重量感があっちゃ、ゆるゆる動かないよな、と思い直しました。

天井に吊るすための手段を全く考えておらず、どうしようかと妻に相談すると、妻が事前にナフコでそういう金具を買ってストックしていました。金具を使って吊るそうと思いましたが、不器用な僕がすると天井にぼこぼこと穴があき、モビールがからまってこんがらがる可能性が大きかったので、妻が行いました。全部、妻がしました。

それ以降、うちの居間では魚のモビールがゆるゆると動いています。ふとした時に目に入り、いい感じです。妻も気に入ってくれています。くれていると思いたい。難点は、エアコンの近くに設置してしまったため、エアコンを動かすと、魚たちが濁流に飲まれたようにてんやわんやすることです。なのでモビールを飾ってから一度もエアコンを動かしていません。エコ。

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「ミーティング」11/16

先日、飛ぶ劇のミーティングがありました。ミーティング開始の20分前に事務所に着いたら、まだ誰も来ていなくて、事務所の鍵が開いていませんでした。藤原は事務所の鍵を持っていないので、事務所の前で待ちました。
夜の7時前ですが、もう真っ暗になっていました。その日はスーパームーンの出る日でした。スーパームーンを見ようと思って、スーパームーンはどこかなと事務所の前をうろうろしながら空を探しましたが、曇り過ぎてて全く見えませんでした。スーパームーンって名前、セーラームーンと語感が一緒だなと思いながら、雲の上のスーパームーンに想いを馳せると、月に変わっておしおきするポーズも同時に頭に浮かびました。

10分くらいぼーっとしていると、泊さんがやってきました。僕が「おつかれさまです。」と言うと、泊さんが「まだ誰も来てないの?」と言い、事務所の鍵を取り出しました。「泊さん、鍵、持ってるんですか?」と聞くと、「そりゃ持ってるよ。」と答えました。そりゃそうだと思いました。事務所の鍵があきました。

事務所に入ってすぐ、僕は来る途中に買ったおにぎりを食べました。腹ペコだったのです。「達郎、いくつだっけ?」と泊さんが言いました。「36です。」と僕は言いました。「若いんだね。」と泊さんが言いました。「そうですか?」と僕は言いました。「そうでもないけど。」と泊さんが言いました。「そうですよね。」と僕は言いました。「老けてるよね。」と泊さんが言いました。「そうなんですよ。」と僕は言いました。「白髪ががね。」と泊さんが言いました。「やっぱり、そうですかね。」と僕は言いました。「白髪だよ。」と泊さんが言いました。「白髪かあ。」と僕は言いました。おにぎりを食べ終えました。

はやまんと文目くんが現れました。「おつかれさまです。」とみんなで言いました。文目くんは仕事帰りでスーツでした。はやまんは箱馬を持っていました。箱馬とは端的に言うと、木の箱です。「文目くん、そんな格好していると、なんだか地方公務員みたいだね。」と泊さんが言いました。「えぇ、まあ、そうなんですよ。」と文目くんが言いました。「はやまん、なんで箱馬持ってるの?」と泊さんが聞きました。「これ、嫁が、楽器の練習で使ったんです。」とはやまんが言いました。「楽器の練習?」と泊さんが聞きました。「まあ、あんまり、練習してませんでしたけどね。」とはやまんが言いました。はやまんは箱馬を片付けました。

太田カツキと宇都宮誠弥が現れました。太田カツキは奇抜なパーカーを着ていました。フードもかぶっていました。フードをぬぐと、キャップもかぶっていました。キャップのうしろの、サイズを調整する所の上の隙間から、しばった金髪を、馬のしっぽのように出していました。「写真、撮っていい?」と僕は聞きました。「あ、はい。」と太田カツキは言いました。僕は太田カツキの写真をスマホで撮りました。「達郎、カツキのこと、好きだよね。」と泊さんが言いました。「はい。」と僕は言いました。「まあ、俺も、カツキのこと、そんな嫌いじゃないけどね。」と泊さんが言いました。「ですよね。」と僕は言いました。「あぁ、あぁ…」と太田カツキが照れました。その一連の様子を、宇都宮誠弥が、不思議少年のアシカの役で会得した、表情を一切宿さない、無を極めた目で、じっと見ていました。

その後内山さんが現れ、みんなで雑談していると、木村健二から「5分遅れます。」というグループラインが来ました。みんな、スマホを一瞥し、何事もなかったかのように雑談に戻りました。

何が言いたいのかというと、後頭部で馬のしっぽのようにしばった髪のことを、ポニーテールと言います。

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「RRRR福岡-4」10/8

(前回のあらすじ)万代さんに感謝しました。

夜の回は青木くんが手伝いにくることになっていたのですが、時間になっても青木くんが現れません。「バックれたかな。」「バックれたな。」などと泊さんやすんと話していると、泣きそうな顔の青木くんが現れました。博多リバレイン内で迷子になっていました。僕は地下をまわっている時に偶然文目くんに会ったから、そんなに迷わずに来れたけれど、青木くんは誰にも会わず、地下から4階まで行き、また引き返して、ようやく会場にたどり着いたのでした。「フロアガイドを見ても、アンパンマンの顔しか目に入らない。」と、俺と同じことを言っていました。
泣きそうな青木くんをなだめようと思って、僕は青木くんに、「青木くん、青木くん、」と声をかけました。「なんでしょう。」と青木くんが言いました。「太田カツキの、あの迷彩柄の上着、何円だかわかるかい?」と僕が言うと、「…いや、ちょっとわからないですけど、何円ですか?」と青木くんが聞くので、「6000円です。」と答えました。「6000円かあ。」と、青木くんに笑顔が戻りました。よかった。
「6000円は、高いと思うかい?安いと思うかい?妥当だと思うかい?」と聞くと、「6000円は、高いです。僕の着てるこのシャツ、5000円なんですが、高いなあって、思いましたよ。」と青木くんが言いました。「まあ、6000円の上着を、高いと思うか、安いと思うか、妥当だと思うかっていうのは、人それぞれだからね。」と、僕は青木くんに言いました。青木くんは、「そうですね。」と言いました。そう言う僕の着てるシャツは、7000円でした。

青木くんも会場整理の仕事をすることになりました。昼の回をすでに経験した僕は先輩風を吹かせて、「追加のイスは、ここに並べるんだぜ。」「なるべく詰めて座ってもらうんだぜ。」などとアドバイスしました。青木くんは「はい、はい。」と言いました。
いざ開場してみると、夜の回も満席でした。青木くんは「本日、は、あの満席、満席を予定そておりまって、だからあの、お席の方をですね、詰めて、こう、にゃるべく、お願いできますと、大変ありがたいkとになっておりま。」と歯切れも滑舌も悪いアナウンスをしました。今度藤本瑞樹くんに、あれを歯切れよく言う言い回しを聞いておこうと思いました。

帰りが遅くなるので、夜の回が始まったら帰ることにしました。泊さんに「おつかれさまでした。」と言い、地下鉄に乗り、JRに出ると、ちょうど特急が出発するところだったので、乗っちゃえと思って、特急券を買いました。特急に乗っている時に、「福岡公演の手伝いをして、いろんなことがあって楽しかったなう。」みたいな内容のツイッターをしたら、田坂さんからすぐにリツイートがありました。時計を見たら8時ごろで、まだお芝居の本番中でした。「本番中の田坂さんからリツイートがあったなう。」と僕はさらにツイッターしました。

何が言いたいのかというと、万代さん、本当にありがとうございました。

おわり

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「RRRR福岡-3」10/7

(前回のあらすじ)歯切れの悪いアナウンスをしました。

昼の回の終演後、泊さんと田坂さんのアフタートークがあったのですが、僕もちょっとだけ出ることになりました。で、その様子を書こうと思ったのですが、泊さんがブログに書いてくれたので、アフタートークの様子はそちらをごらんください。写真は泊さん、田坂さん、藤原の3ショットです。
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昼の回が終わり、夜の回が始まるまで楽屋でぼーっとしていたら、富田さんが「藤原さん、これを見てください。」と、自分のスマホの画面を見せました。お城のイラストが表示されていました。GPS機能を使ってお城をめぐるアプリのようで、ポケモンGOのお城版のような感じでした。「めずらしいポケモンをゲットしたんですよ。」みたいなニュアンスで、「◯◯城を落としたんですよ。」と教えてくれるのですが、いまいちピンときませんでした。なぜなら僕は、そのアプリをやっていないからです。他にも富田さんがたくさん説明してくれましたが、忘れました。
富田さんのスマホに武士のようなキャラクターの人形がくっついてて、「それも、お城のアプリのキャラクターですか?」と聞いたら、「あぁ、これは『AKR』ですよ。」と言いました。当たり前のように言われても、僕はAKRを知らないので、「?」を顔で表現していると、「47人いるんです。」と追加情報をくれました。「わからないものに対して追加情報をくれても、理解は深まらない。」ということを顔で表現していると、見かねた万代さんがイチから説明してくれました。テレビ番組のキャラクターのようで、「AKRは赤穂浪士のことで、だから47人なんです。AKBにかけてるんですよ。」と、富田さんの3倍わかりやすく教えてくれました。
富田さんの勢いは止まらず、「AKRは曲も出してるんです。聞きます?」と、スマホから曲が流れました。僕は聞き、「へえ。」と言いました。富田さんは別のグループの紹介を始めました。万代さんが補足しました。曲が流れ、僕は「へえ。」と言いました。また別のグループ、万代さんの補足、曲、藤原のへえ、がその後2、3回続きました。
横で見ていたコンちゃんが、「藤原さん、表情がなくなっていますよ。」と言いました。僕は、「何をおもしろいと思うかっていうのは、人それぞれですよね。今僕は、お城と武士に関するプレゼンを受けているわけです。それを受けた僕の反応は、『へえ。』だったんですよ。」と答えました。コンちゃんは、うなづきました。
最終的に富田さんは「番組、見てもらった方が早いですね。」と言い、僕は富田さんのスマホで、「もしも戦国武将がキャバクラに行ったら」という設定の動画を5分見ました。
僕は、「へえ。」と思いました。

何が言いたいのかというと、万代さん、ありがとうございました。

つづく

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「RRRR福岡-2」10/6

(前回のあらすじ)太田カツキの好きな動物はウシ。

楽屋でずっとぼーっとしていたら、何しに福岡まで来たのかわからないので、制作チーフのすんに、何を手伝ったらいいか、聞きに行きました。受付で、すんと、すんの友人のSさんが、準備をしていました。僕はすんに、「何を手伝いましょうか。」と聞きました。すんは、「じゃあ、会場整理をお願いします。」と言いました。会場整理というのは、お客さんを席にスムーズに誘導するお仕事です。「わかりました。」と、僕は言いました。「満席の予定なので、詰めて座ってもらってください。」とすんが言いました。僕はちょっと考えて、「『詰めて座ってください』を、お客さんに失礼のないように言うと、どういう言い回しになりますか?」と聞きました。すんは、「…詰め…あいだを開けず、座って、もらえるようご協力…ご了承…協力…よろしく…ん、まあ、みたいな感じです。」と歯切れがよくありません。僕は、「ん…、ニュアンスはまあ、たぶん、俺も伝えられるんだけど、歯切れが悪いと、こう、お客さんに、失礼じゃないかなあ。」と言いました。すんは、「うーん…」と言い、考え込みました。Sさんも考え込みました。「『お詰め合わせの上…』っていう言い回しは、おかしいかな?」と僕は聞きました。「それじゃあ、なんかお菓子みたいですね。」とすんが言いました。Sさんもうなづきました。僕も、お菓子みたいかもしれないと思いながら提案したのでした。みんな、黙ってしまいました。
ちょうどそこに、脇内圭介が通りがかりました。「わっきー、ちょっと、いいかな。」と僕は言いました。「なんでしょう。」と、脇内圭介が立ち止まりました。僕は「『詰めて座ってください』を、お客さんに失礼のないように言うと、どういう言い回しになるかな?」と、さっきと同じことを聞きました。脇内圭介から、大体似たような答えが返ってきました。「うーん…」と言ってすんが考え込み、Sさんはにこにこし、僕はへらへらし、脇内圭介の頭はもじゃもじゃでした。

その後の昼公演は立ち見が出るほどの満席で、僕は開場中、満を持して、「…あ、えっとですね、本日、の公演はですね、えっと全…満席を予定しておりまして、えぇ、なのでえっと、お席の方をですね、こう、なるべく、こうあいだを、開けずにですね、座っていただけると、大変、ありがたいことになっておりますので、えぇ、あの、へへ…そうですね、なるべく、よろしくお願いします。」と、案の定、ぐだぐだのアナウンスをしました。見に来てくれたお客さん、ご協力ありがとうございました。

つづく

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「RRRR福岡」10/5

「Red Room Radio Reborn」、全公演終了しました。ご来場くださったみなさん、ありがとうございました。

僕は福岡公演のお手伝いに行きました。JRと地下鉄を乗り継ぎ、地下鉄の改札から直通で、公演会場のある博多リバレインに出たので、移動時間が長かっただけで、あまり福岡に出た、という気分になりませんでした。
チラシを持ってくるのを忘れて、博多リバレインホールが、博多リバレインの中の何階にあるのかがわかりませんでした。とりあえず、店内に掲示されているフロアガイドを見たのですが、アンパンマンの顔しか目に入らず(6階だか7階にアンパンマンミュージアムがあるのです)、リバレインホールの表示を見つけることができませんでした。まあ、そのうち見つかるだろうと思って、地下2階から順番に見ていくことにしました。
地下2階には飲食店がいくつか入っていたのですが、全体的にお値段が高めに設定されていて、岡山でいう所の天満屋と同じような印象を持ちました。太田カツキはこの空間になじんでいるんだろうか、なじんでたらいやだ、と思いました。ちょっと泣きそうになりながら地下1階をまわっている時にばったり文目くんと会い、事なきを得ました。
早めに着くことができたので、楽屋でぼーっとしていると、太田カツキが現れました。迷彩柄の上着を着ていました。おもむろにZIPPOのライターを取り出すと、オイルを注入し始めました。ZIPPOライターのメンテナンスです。まったく博多リバレインになじんでなく、安心しました。
「その上着、高いの?」と僕が聞くと、オイルを注入しながら「え、そんな高くないっスよ。」と太田カツキが言いました。「何円?」と聞くと、「6000円です。」と言いました。僕は6000円の上着をよく見ました。よく見たら、迷彩柄が全部、動物の形でできていました。「あ、動物の形をしているね。」と僕が言うと、「そうなんスよ、かわいいでしょ?」とZIPPOのライターから目を離さず太田カツキが言いました。「動物、好きなの?」と聞くと、「動物、はい、好きです。」と言いました。「どの動物が好きなの?」と聞くと、太田カツキは上着を見て「やっぱり、ウシですかね。」とウシを指さして言いました。「あぁ、ウシね。」と僕は言いました。「かわいいっスよね、ウシ。」と太田カツキは言うと、オイルの缶をカバンに片付け始めました。カバンにはウマの絵が描かれていました。

つづく

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「RRRR」9/13

「Red Room Radio Reborn」と書くと長いから、最近では、みんな文字にする時、「RRRR」などと略します。
小屋入り前の、最後の稽古を見に行きました。
仕事終わりに、稽古場に向かおうとしたら、小雨が降っていて、僕は自転車通勤なので、雨合羽を、着ようかどうしようか迷いました。雨合羽を着ると、汗をかくし、着なかったら、まあまあ濡れます。まあまあ濡れることを選び、最寄りの駅まで、自転車を走らせました。まあまあ濡れました。
電車に乗って、小倉で降りました。降りて気づいたのですが、駅から、稽古場まで、また濡れます。傘を買おうか、まあまあ濡れようか、迷いました。まあまあ濡れることを選び、稽古場まで歩きました。さっきより雨が強く、周りの人は、みんな、傘をさしていました。赤信号なんかで足止めをくらうと、俺はなぜ傘を買わなかったんだろう、と悔やみました。今更後悔しても、近くにコンビニはないので、稽古場までずんずん歩きました。まあまあ濡れました。
小腹がすいたので、稽古場を通り過ぎ、近くのコンビニでブリトーを買いました。夕方、小腹がすいたら、最近の俺はブリトーです。ブリトーを買い、コンビニを後にし、今日の稽古場である、公共施設の中に入りました。
公共施設のロビーで、泊さんがパンを食べていました。
「おつかれさまです。」
と僕は言って、泊さんの隣に座り、ブリトーを食べました。パンと、ブリトーを食べながら、僕と泊さんは、ぽつり、ぽつりと、世間話をしました。主に、太田カツキのおもしろ話でした。僕の髪から、雨がしたたりました。
太田カツキのおもしろ話が、ひと段落したところで、泊さんは稽古場に向かいました。僕は、あまり早く稽古場に行っても、居場所がなくて困るので、もうちょっと、ロビーで時間をつぶしてから行くことにしました。カバンから、宇能鴻一郎の「むちむちぷりん」を取り出して、読みました。「むちむちぷりん」は、宇能鴻一郎の書いた、官能小説です。公共施設のロビーで、官能小説を読んでいるとは、思われたくないので、眉間にしわをよせ、左肘をテーブルに突き、ひたいの辺りを押さえ、小難しい顔をしながら、「むちむちぷりん」を読みました。
「むちむちぷりん」を読んでいたら、
「おつかれさまです。」
と、文目くんから声をかけられました。
「おつかれさまです。」
と、僕は、小難しい顔で返事をしました。
「…びしょびしょじゃないですか。」
と、文目くんが言いました。個人的には、まあまあ濡れたつもりでしたが、はた目から見ると、びしょびしょのようでした。小難しい顔で、僕は、
「思ったより、濡れました。」
と答えました。文目くんは、笑いながら、通り過ぎて行きました。公共施設のロビーで、びしょびしょのまま、官能小説を読む36歳はちょっとどうかと思ったので、やめて、稽古場に向かいました。
その後、稽古を見ました。みんな、いい感じに狂っていました。「RRRR」は、役者がエゴを発揮してなんぼの芝居だと思っているので、みんな、がっついてて、いいなあと思いました。
明日から小屋入りです。

何が言いたいのかというと、文中に「、」が多いのは、宇能鴻一郎の影響です。

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「皮膚科」8/9

皮膚科に行きました。もともとアトピー持ちなのですが、この夏は特にかゆみがひどくて、一日中体を掻いているのと、左手の中指に水疱ができて消えないので、行きました。
近所に皮膚科とエステを一緒にやっている病院があって、僕は一度も行ったことがなかったのですが、奥さんは行ったことがあり、「あの病院、混むよ」とおどされていたので、9時営業開始の所を、8時20分に行ったらさすがに誰もいませんでした。病院の人すらいませんでした。で、開かないドアの前でぼーっとしていたら、8時半には僕のうしろに10人くらいの列ができて、間違ってなかったと思いました。看護師さんが出勤し、ドアの鍵を開け、セコムを解除したので中に入ると「受付は2階です」という表示とエレベーターがありました。建物の構造がよくわからなかったのでとりあえずエレベーターに乗ると、エレベーターより階段から上がった方が早かったようで、受付表に先に名前を書かれてしまい結局僕は6番目になりました。軽く苛立ちを覚えましたが、まあ仕方がないと思って待ちました。
電車なんかを待っている時はケータイをいじったり本を読んだりするのですが、初めて来る病院なので場に慣れてなく、あまりあれこれする気にならなくて、じっと壁を見ていました。貼られたポスターを見ましたが全然内容が頭に入りませんでした。
9時前になると待合室に座りきれないほどの人が訪れました。小さい子どもを連れたお母さん、白髪を短く刈ってサングラスをかけたおっさん、おしゃれな服を着た若い女性、ほっぺたにガーゼをあてたおっさん、手押し車を使ってゆっくり動くばあさん、老若男女いろんな人が待っていました。小さな子ども以外、誰も声を発しませんでした。おっさんとおばさんと太った中年男性の親子連れが一番意味がわかりませんでした。誰が診察を受けるのか、3人とも受けるのか、息子だけ太り過ぎじゃないか、カンフーハッスルでチャウシンチーの相棒役をやってた人に似てる、などなど。
寝起きそのままのような格好のおっさんがサンダルでふらっとやってきて、「ニンニクスペシャルお願いしたいんやけど、朝から行けるかね?」と受付のお姉さんに聞いていました。お姉さんは「あ~、朝ですからねえ、ちょっと聞いてみますね」とおっさんに言い、「ニンニクスペシャル、朝から行けますか~?」とバックヤードに大声で聞きました。僕は、ニンニクスペシャルってなんだろうと思いました。「ニンニクスペシャル、行けま~す」とバックヤードから声が返ってきて、お姉さんがおっさんに「ニンニク、大丈夫です」と言い、おっさんが「じゃあ、ニンニクスペシャルで」と言いました。ラーメン屋の会話のようだと思いました。
しばらくして診察室に呼ばれました。男の先生が座っていて、「じゃあまず、指の水疱を見せてもらえますか?」と言われました。事前に問診票を書いて渡していたのです。僕は左手の中指を見せました。「あ~、ほんとう、水疱だあ」と先生は言いました。問診票に「水疱がある」と書いたのだから、あって当たり前だろうと思いました。「足にミズムシはありますか?」と聞かれ、「ありません」と答えたら、ピンセットで指の皮の一部を取り、顕微鏡で見て「カビはありませんね」と言われました。それが何を意味するのかわからなかったので、「そうですか」と答えました。その後アトピーのことをいくつか聞かれ、「では、このあと処置室の方へお願いします」と言われて、診察室をあとにしました。
処置室に行くと女性の看護師さんが待っていました。早口の慣れた感じで「まず赤外線をあてます」と言われました。僕が「指ですか?」と聞いたら、「え?」と聞き返されて、予想外の反応だったので僕は挙動不審になり、「あ、指、えっと指、指の方が水疱でして、それであと全体的にアトピーで、指、あの、指ですか?」みたいに聞いたら、「かゆみのある箇所に赤外線をあてます」と言われました。それで上半身裸になり、赤外線をあてました。アトピーにいいのだそうです。目には悪いから、「ぜったいに、目をあけないでください」と念を押されました。あけまい、と思いました。赤外線はほんのりあたたかくて、効いているような気になりました。それから患部に薬を塗ってもらいました。そのあと「◯◯するので手を出してください」と早口で聞き取れなかったので、また挙動不審になり「あ、手、水疱ですか、えっと、手はかゆくないのですが」と言って処置台に手の平を乗せたら、「注射は腕にします」と言われ、「え、注射ですか?」と聞き返したら、「はい、かゆみを抑える注射をします」と言われました。皮膚科に注射のイメージがなかったので驚きました。ニンニクスペシャルもおそらく注射だろうと、この時思いました。

体のかゆみは注射を打ったらおさまりました。
かゆくなくなったので自分の団体で「退屈という名の電車の駅のホーム」という芝居をしますのでどうぞよろしくお願いします。

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「ミーティング」7/19

先日飛ぶ劇場のミーティングがありました。飛ぶ劇場は賃貸物件の1室を借りて、事務所兼物置として使っているのですが、僕が到着すると先に来ていたメンバーが部屋の掃除をしていました。主に床を掃除していました。僕は来る途中に近所のスーパーでカラアゲを買ったのでそれが食べたかったのですが、みんなが床を掃除している中でカラアゲは食べづらかったので、「僕も床をあれしましょうか?」と近くにいたきむけんに聞きました。きむけんは「あぁ、うん」と言いました。僕は「床をあれする道具はどこにありますか?」と聞いたら、きむけんが「あぁ、うん」と言い、「もうないんじゃない?」とはやまんが言ったので、僕は「じゃあ、カラアゲ食いますね」とカラアゲを食べました。口実を作ったのです。
僕がテーブルでカラアゲを食べていると、掃除が終わりを迎え、みんな片付けを始めました。タツオさんが「休憩、休憩」と言ってテーブルにやってきて、パンを食べました。タツオさんもおなかがすいていたのです。きむけんが扇風機の近くに座り、マンガを読み始めました。僕はマンガが好きなので、「それ、何てマンガですか?」と聞いたら、「これ、サッカーのマンガなんだけど、監督目線でおもしろいんだ」ときむけんが言いました。僕はマンガのタイトルを聞きたかったのですが、きむけんは内容を言ったので、「ん」と思いましたが、もういいやと思って「へえ」と言いました。
コンちゃんが掃除中に見つけたカニをみんなに披露しました。ノサカ(文目)くんが「おみやげです」と言っておせんべいをみんなにくれました。僕と泊さんとはやまんでヒゲに白いものが混ざり始めた話をしました。きむけんがスマホで人をダメにするゲームをしました。中川裕可里の髪型は役作りの関係でアンハサウェイのようでした。アンハサウェイがインパクトのバッテリーを充電すると異音が鳴りました。ウィンドウズ10の話をしている時にコンちゃんがトロイの木馬のことをモロイのトクバと言いました。モロイのトクバを今年の飛ぶ劇流行語大賞にノミネートしました。内山さんはにこにこしました。桑さんはじっとしていました。

ミーティングを始めずに何をしていたのかと言うと、脇内圭介を待っていました。
『Red Room Radio~Reborn~』の公演情報を公開しました。

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「エレベーター」6/15

2016年1月、北九州芸術劇場での不思議少年の公演を見に行くためにエレベーターを待っていたら、太田カツキに会いました。太田カツキは、「あ、おつかれさまです」と小さな声で言いました。僕も小さな声で「おつかれさまです」と言いました。太田カツキは隣にいた女性を指して、「これ、うちの母です」と小さな声で言いました。隣にいた女性はこちらを向き、会釈をしました。僕はなんだかびっくりして、挙動不審な会釈をしました。太田カツキも人の子だというイメージが僕の中になく、「太田カツキ」と「お母さん」がうまく結びつかなかった結果の挙動不審です。太田カツキは僕を指して「こちら、劇団の先輩」とお母さんにぶっきらぼうに言いました。太田カツキのお母さんは、「息子がお世話になっております」と僕に言いました。僕はお母さんに「いえ、こちらこそ、お世話になっております」と挙動不審に言いました。言ってから、俺、別に太田カツキの世話にはなってないなと思ったけれど、わざわざ訂正するほどの内容じゃないと思ったので、言いませんでした。エレベーターが到着しました。
エレベーターに乗ったのは、僕と太田カツキと太田カツキのお母さんの三人だけでした。エレベーターに乗る前にあいさつは済ませてしまったので、乗ってからは無言でした。僕がきさくなタイプの人間であれば、「お母さんはおいくつですか?」「最近の息子さんはどうですか?」などのきさくな会話をするのですが、あいにく僕はきさくなタイプの人間ではないことを35年の人生で悟っていたので、きさくな会話は始まりませんでした。
だいたいのエレベーターがそうであるように、北九州芸術劇場のエレベーターも四角い構造をしていました。奥側の壁は鏡張りになっていました。僕と太田カツキと太田カツキのお母さんは、鏡張りの面以外の壁をそれぞれじっと見ていました。ときどき、エレベーターの階数表示をちら見しました。不思議少年が公演を行う劇場は6階だったのですが、まだ2階の表示が点灯している辺りで、6階が待ち遠しくてしかたありませんでした。
エレベーターが6階に到着して扉が開きました。立ち位置的には、太田カツキと太田カツキのお母さんが扉側にいて、僕が奥にいたので、太田カツキと太田カツキのお母さんが先に降りるものだと思って待っていたら、気をきかせた太田カツキと太田カツキのお母さんが、道をあけて僕の方を見ました。僕は「え、そんな、どうぞ」と言って、右手を斜め下から前方に振り上げたり下ろしたりしました。太田カツキと太田カツキのお母さんも「どうぞ、どうぞ」と言って、日本人特有のゆずり合いをしばらくやりました。このままじゃエレベーターの扉が閉まると思ったので、僕は「あ、じゃ」と言って、太田カツキと太田カツキのお母さんの間を抜け、右手を振り上げたり下ろしたりしながら先にエレベーターを降りました。太田カツキと太田カツキのお母さんも、それでようやくエレベーターを降りたというわけです。
劇場に入ると、舞台をはさんで両サイドが客席という作りになっていたので、僕の席から太田カツキと太田カツキのお母さんが並んで座っているのが見えました。人は見かけによらないと思いました。

何が言いたいのかというと、太田カツキはパッと見チンピラです。

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「公演情報」5/24

私事であれなのですが、大体2mm「退屈という名の電車の駅のホーム」の公演情報を公開しました。
今回、演出を二番目の庭の藤本瑞樹さんに依頼しました。
九州の演劇情報サイト「mola!」が記事を掲載してくれるという体で、インタビューを作ってみました。

Q:今回演出家として、二番目の庭の主宰であり、藤原さんの友人でもある藤本瑞樹さんを起用した理由は何ですか?
A:友達だからです。
Q:本当にそれだけですか?
A:まあ、それだけじゃありませんが。
Q:どちらかと言うと、友達だからじゃない方の理由が聞きたいです。
A:2004年はたしか、11月18日がボジョレーヌーボーの解禁日だったんですが、「解禁日にボジョレー祭りをしようぜ。」と藤本瑞樹さんからお誘いの連絡をもらって、今回出演する飯野さんと二人で出かけて、西小倉駅付近でボジョレーヌーボーを楽しんでいる時に、酔っ払った藤本瑞樹さんが飯野さんのお気に入りのスニーカーにボジョレーをこぼして、スニーカーに洗っても落ちない血のような赤いシミが残りました。
Q:その後、スニーカーはどうなったんですか?
A:飯野さんのスニーカーなので私はよく把握していませんが、ボジョレー祭りの後、飯野さんがあのスニーカーを履いている姿を見たことはありません。
Q:…それがもう一つの理由ですか?
A:黒字が出たらABCマートでスニーカーを買うんです。
Q:がんばってください。

※ABCマートとは…東京都渋谷区に本社を置く株式会社エービーシー・マートが展開する、靴や衣料品のチェーン店。2015年2月末の連結ベースで国内784店舗、海外191店舗を展開する。

何が言いたいのかというと、「Red Room Radio Reborn」の出演者を発表しました。
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「水族館」4/30

休みの日に、子どもが水族館に行きたいと言いました。車は奥さんが仕事で使っていたので、門司港まで電車で出て、フェリーに乗って唐戸に渡り、海響館に行くことにしました。たとえ車が家にあったとしても、電車とフェリーで行きます。車の運転が嫌いだからです。
電車に乗ると、子どもは先頭車両に乗りたがります。運転席から前方の景色が見たいからです。混んでいる時はあれですが、すいている時は、だいたい先頭車両には子ども(男の子)が数人群がっています。たまにマニアックなおじさんも群がっています。全然知らない子同士でも、電車の知識を媒介に話し始めます。ほほえましいです。たまにマニアックなおじさんも会話に加わります。個人的には俄然おもしろくなってくるのですが、「ほら、ちゃんと座ってなさい」と我が子を席に連れ戻すお母さんもいます。
門司港駅に着くと、子どもは改札口の近くに設置してある鐘を必ず鳴らします。加減を知らないので、大音量で鳴らします。近くを通る人が絶対びっくりします。僕は頭を下げます。
フェリーに乗ると、絶対デッキに出ます。子どもはじっと座っていることが不可能だからです。フェリーが動いている間も、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと動き回ります。「危ない」と大声を出すはめになります。フェリーが唐戸側に着くと、クラゲを見ようとフェリーの発着場付近で海をのぞきこみ、係りの人に怒られます。怒られて陸の方へ行く時も、岸ぎりぎりの所をクラゲを探しながら歩きます。「危ない」と大声を出すはめになります。
海響館に入ると、ちょうどイルカとアシカのショーの始まる所だったので、会場に行きました。イルカやアシカが何かをするたびに、子どもは喜んで拍手をするのですが、気持ちが身体に反映され、だんだん前の方に行ってフェンスぎりぎりの所で見始めるので、その後ろに座っているよそのお父さんから注意され、警備の人から怒られ、インストラクターのお姉さんから笑顔で「危ないぞ」と言われます。
その後、ペンギンのコーナーに行きました。海響館には「ペンギン村」という、アラレちゃんの町と同じ名前のペンギンコーナーがあります。ペンギンが大量にいます。子どもはペンギンがフンをするたびに、「あ、フンをした」と反応します。ペンギン村には2~30分いたのですが、ペンギンの真新しさには最初の5分ほどで慣れるので、「あ、ペンギンだ」と言ってたのは最初の5分だけなのですが、フンをすることには慣れないみたいで、「あ、フンをした」は始終言っていました。ペンギンのフンを見るためにペンギン村に行ったわけではありません。
それから、いろんな魚を見て回りました。ウツボが気に入ったようで、ウツボの水そうを何度も行ったり来たりしました。ウツボはじっとしている間もずっと口をぱくぱくしていました。ウツボの口ぱくに合わせて子どもが「あぁ、もう眠くってやってられないよ」とか、「わあ、岩に体がはさまってしまった」などとセリフをあてはじめました。子どもは周囲の目を気にしないので、けっこう大きい声でセリフをあてます。協調性がないとも言います。僕にも協調性はないのですが、社会経験を下手に身につけているので、水族館でウツボのセリフは言いません。ウツボ役の子どもが「俺、あの魚、食いたい」と言いました。僕はだまってチンアナゴを見ていました。代わりに近くにいたカップルの彼氏の方が、「うん、食べたいね」と答えてくれました。彼氏、いいやつだなと思いました。
全部見て回った後おみやげコーナーに行って、子どもがダイオウイカの人形を買いました。ウツボじゃないんだ、と思いました。

何が言いたいのかというと、ダイオウイカの人形は2000円でした。
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「ファミレス」3/25

今年の夏、僕がやっている「大体2mm」という団体の公演を行う予定で、先日、そのための打合せを、僕、制作の飯野さん、演出の藤本瑞樹くんというメンバーで行いました。ファミレスでいいか、ファミレスでいいや、ということになって、西小倉駅からひたすらまっすぐの所にあるロイヤルホストに行ったら更地になっていました。飯野さんが「あれ、ない。」と言って、みずきくんが「え、あ、ほんと、ない。」と言って、僕が「ない。」と言いました。あると思っていたはずの物が跡形もなくなっていると、人はばかみたいに「ない。」って言うな、と思いました。
そこでもうちょっと車を走らせて、清水のジョイフルまで行きました。平日の20時頃でしたが、店内はけっこう混んでいて、若者の友達連れや、塾帰りっぽい高校生の姿が多く見られました。寝ているおっさんもそれなりに見られました。せっかくファミレスにきたんだからと、僕たちも食べ物を注文しました。みずきくんはジャーマンポテトを注文しました。僕は肉の乗ったどんぶりを注文しました。飯野さんはスパゲティーとハンバーグを注文しました。僕と飯野さんが食べる気満々なのが、みずきくんにばれました。
料理を待っている間に打合せを開始しました。みずきくんがノートパソコンを立ち上げ、エクセルで作った表を見せてくれました。みずきくんはノートパソコンを使って説明をしてくれます。僕はノートパソコンの画面をタッチパネルのようにさわり、当然動かず、恥をかきました。細かく内容を確認している時に、ジャーマンポテトとスパゲティーが来ました。みずきくんはノートパソコンを閉じました。飯野さんもノートとえんぴつを片付けました。打合せが中断しました。僕は特に意味もなく、アイパッドを出して広げました。見せびらかしたのです。みずきくんが気を使って「買ったの?」と言いました。僕は「うん。」と答えました。みずきくんが「へえ。」と言いました。僕はアイパッドをしまいました。どんぶりはまだ来ません。
しばらくして僕のどんぶりも来たから、急いで食べました。みずきくんがジャーマンポテトを食べ終え、次に飯野さんがスパゲティーを食べ終え、僕もどんぶりを食べ終えました。みずきくんがノートパソコンを再び立ち上げようとしたら、飯野さんのハンバーグが来ました。みずきくんはノートパソコンを閉じました。
飯野さんの注文したハンバーグはジョイフルの新商品で、ハンバーグにデミグラスソースがかかっていて、他にもごろごろしたジャガイモと、溶けるくらいまで煮た肉が、グラタン皿に入っていました。おそらくグラタン皿ごとオーブンで焼くので、調理に時間がかかるのです。飯野さんは「熱い。」と言いました。あと、「焦げてる。」とも言いました。グラタン皿で調理されているから、熱くて焦げがあるのは当たり前だと思いました。どちらかというと、それは「売り」です。さらに飯野さんは、「ジャガイモと、煮た肉は食べない。」と言いました。じゃあ、普通のハンバーグを注文すればよかったんじゃないか、と僕は思いました。みずきくんはドリンクバーを取りに席を立ちました。みずきくん飲み物を持って帰ってくると、なぜか宇都宮誠弥と西村さん(宇都宮企画)が一緒にやってきました。宇都宮誠弥と西村さん(宇都宮企画)は偶然、奥の席で、はやまんと結婚式の二次会の打合せをしていたのでした。打合せと言えばやっぱりファミレスだよな、と思いました。
そう言えば先日、ファミレスで派遣会社か何かの面接をしている所に遭遇しました。面接を受けているのは、若い女性でした。面接官も若い女性が二人でした。面接を受けている女性が「具体的に、どのようなお仕事内容なのでしょうか?」と聞いたら、面接官の女性が「複合型商業施設の中を子どもを乗せて走る汽車のアテンドです。」と言いました。面接を受けている女性が「勤務地はどこですか?」と聞いたら、面接官が「主にサンリブです。」と言いました。あぁ、見たことある、と僕は思いました。その後、「和気あいあいとした職場環境です。」とか、髪の毛のカラーチャートを出して、「茶髪はこれくらいまででお願いします。」とか話して、面接を受けた女性は帰って行きました。残った面接官の女性は、「協調性のありそうな子だったね。」と言いました。もう一人が「でも、周りの雰囲気に流されやすそう。」と言いました。僕は、それはポジティブな側面とネガティブな側面を言ってるだけで同じことなんじゃないか、と思いました。面接官の女性も帰って行きました。今は面接もファミレスなのだな、と思いました。

何が言いたいのかと言うと、誰かファミレスをファミリーで使ってあげてください。

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「レッドルームレディオ」3/4

「レッドルームレディオ」の出演者オーディションの応募締切りが迫ってきておりますが、この作品は12年前に初演が行われていて、僕も出演しました。僕が泊さんにあて書きをしてもらった唯一の作品です。この作品に出た数年後に就職をして、あまり稽古に参加できなくなってしまったから、今の所唯一の作品になっています。
どういう役をやったかと言うと、1人で8役やりました。僕が多重人格の持ち主だから泊さんがそういう役をあて書いたとか、そういう話ではありません。1人で入れ代わり立ち代わり、8役演じました。でも誰とも絡みませんでした。最後、はやまんとかがっちにかついで行かれただけで、あとは基本1人で8役演じました。Aさんの役を演じながら、Bさんの役も演じて会話するシーンとかやりました。これは、当時から僕が絡みづらいやつだったから、泊さんがそういう役をあて書いたとか、そういう話です。いや、泊さんの真意がどうなのかは知りませんが、少なく見積もっても3割くらいは泊さんも「こいつ、絡みづらい。」と感じてこの役をあて書いたんだと思います。(他の劇団員も全員「藤原、絡みづらい。」と感じていました。のちに聞きました。みなさん、当時は本当にご迷惑をおかけしました。これからも多々、ご迷惑をおかけすることがあろうかと思いますが、広い心で、どうぞよろしくお願いします。)絡みづらいんです、僕。若いから、なんか勢いはあったんですが、協調性がないので、誰かと絡むシーンをやると空回りしてました。
日常生活も空回りしていました。アルバイトをしていたんですが、クエストみたいな本屋さんで働いてみたいと思って、求人情報誌で本屋さんのバイトを探して、クエストはなかったので他の本屋さんに履歴書を送ったら面接を受けることになってやったーと思って行ったら、敷地面積の半分以上がアダルト関連の商品を扱っているお店で「思ってたのとちがう!」と思いました。でも店長さんのご好意で採用となり、お店に「レッドルームレディオ」のB2ポスターも貼らせてもらいました。女優さんがセクシーなポーズで微笑んでいるポスターに混じって、レッドルームレディオのポスターを飾っていました。けっこうカオスな絵面になっていました。当時劇団員だったコウちゃんから「ムラムラしたやつが公演を見に来るぜ。」と言われました。実際ムラムラしたやつが見に来たのかどうかは知りませんが、お客さんはたくさん見に来てくれてうれしかったです。

そんなレッドルームレディオの出演者オーディションの応募締切りは3月17日(木)です。飛ぶ劇の劇団員も一緒に受けますので、興味のある方は是非ご参加ください。

あと、「睡稿、銀河鉄道の夜」の公演情報を公開しました。
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北海道に行った日記を、こちらのブログに書いています。
内容がいつも以上に飛ぶ劇と関係ないからです。
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「門司港レトロ」1/20

先日、会社の新年会で門司港に行きました。ちょっとした飲み会なんかは部署ごとで行ったりするのですが、新年会は会社全体で行うため、今年は門司港ホテルだったのです。家を出る時にはもう日が傾いていて、バスで小倉駅まで出て、電車に乗り換えて門司港駅に着いたら、もう辺りは真っ暗にでした。遅刻なんかしたら大事なので、1時間ちかく余裕を持って出てきて、時間をつぶすために門司港レトロを歩きました。

普段門司港に来る時は、だいたい家族と一緒に来るので、一人で門司港レトロを歩くのは初めてでした。門司港駅から門司港ホテルの前まで歩き、右に折れて、レトロレトロした辺りに出ました。17時を過ぎているので、人もまばらです。日が沈んだ1月の門司港はとても寒いので、とりあえず建物に入りました。遊覧船乗り場の近くの、門司港レトロっぽさが詰まった建物です(正式名称は門司港海峡プラザでした)。しかし、新年会を控えた男が一人でドクターフィッシュに足の老廃物を取ってもらうのもどうかと思うし、新年会を控えた男が一人で3Dのトリックアートを楽しめるわけがありません。新年会を控えた男は一人でプリクラを撮りませんし、ジブリのキャラクターがいっぱいのお店に入る勇気もありません。手持ち無沙汰すぎて、1回ガチャガチャを引きました。電車のピンバッチが出て、それはちょっとテンションが上がりました。
することがなくて建物を出ると、バナナマンとバナナマンブラックの像が立っていました。しかし一人でバナナマンブラックと写真を撮るハートの強さを僕は持ち合わせていません。スルーしました。新年会を控えているので焼きカレーを食べるわけにもいかず、新年会を控えているので瓦そばを食べるわけにもいきません。おみやげ屋で家族に魚の干物でも買って帰ろうものなら、「県外ならともかく、なぜ門司港で魚の干物を買うんだ。」と奥さんに文句を言われるに決まっています。なんならガチャガチャも言われます。
仕方なく、寒空の下を跳ね橋の方に向かって歩きました。カップルが二人してカメラをかまえ、対岸から門司港ホテルの写真を撮っていました。はっ、そりゃあカップルでなら寒かろうが何をやっても楽しかろう。気分がすでに卑屈になっています。カップルを横目にひたすら歩きました。止まると寒いのです。旧門司税関の壁に、ハートだったり幾何学模様だったりの映像が映し出され、動いていました。ボーッとそれを見ながら歩きました。家族連れが、同じくボーッと映像を眺めていました。家族と来るといくらでも時間がつぶせるのに、なぜ自分一人で来るとこうも時間が経つのが遅いのだろうと不思議に思いました。
旧門司税関の展示コーナーで暖をとろうと思ったら、17時を過ぎているので閉まっていました。展望台はおそらくまだ営業しているのですが、展望台に登ってしまったら新年会に遅刻します。跳ね橋を渡ろうと思ったけれど、跳ね橋を渡ったら30分以上前に門司港ホテルに着いてしまうという、なんとも中途半端な時間になってしまいました。こんなことなら最初から喫茶店に入ってコーヒーでも飲んでおけばよかった。来た道を折り返し、再びドクターフィッシュの建物に入りました。人影はあいかわらずまばらなのですが、すれ違う人がことごとく、見たことのある顔でした。会社の同僚たちでした。あぁ、みんな、時間を持て余しているのだな、と思いました。数人で連れ立って、30分以上前に会場入りしました。

何が言いたいのかというと、「Red Room Radio~Reborn~」の出演者オーディション情報を公開しました。

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「2016年」1/5

あけましておめでとうございます。藤原です。
太りました。
お正月で特別に太ったわけではないのですが、65キロ前後でうろうろしていた体重が、ここ数年で70キロ前後に増えました。お腹まわりがボテっとしています。おやつとか運動不足とか年齢的なものとか、原因はいくらでも思い当たります。
おやつと年齢的なものはどうしようもないので、運動不足を解消することを今年の目標にしました。実は2014年から同じ目標を立てているのですが、14年も15年も全く運動していないので、3年連続で同じ目標になりました。
子どもの冬休みの宿題で、なわとびチャレンジというのがあって、まあなわとびにチャレンジするのですが、子どものなわとびに付き合っているうちに、「うしろ飛び」がかなり腹筋に来ることに気づきました。そして、これなら続けられそうだと思ったのです。続けられそうな運動に出会うまでに2年かかりました。この機会を逃してはならないと、さっそく自分専用のなわとびも購入しました。あとはなわとびを袋から出すのに2年かからないことを祈るばかりです。2016年の僕は、近所の公園で夜な夜ななわとびを飛ぶことでしょう。これでお腹まわりがどうにもならなかったら、2017年はいよいよ、おやつに着手するしかありません。

何が言いたいのかというと、今年も飛ぶ劇場をよろしくお願いします。

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「青木」12/2

飛ぶ劇場の公演「百年の港」が終了しました。ご来場くださったみなさん、ありがとうございました。
僕は千秋楽の日に前説をやらせてもらいました。キムケンのフェイスブックの登録情報を暴露しました。楽しかったです。
今回は「荒物屋」と言って、生活雑貨を扱っているお店が舞台の話だったので、小道具で生活雑貨をたくさん用意したのですが、公演が終わると使用意図がなくなってしまうので、千秋楽の公演終了後、実際にお客さんに格安で販売してみたら、9割方売れて、販売したこっちがびっくりしました。

バラシ作業の休憩中、照明の岩田さんがたまに行く焼鳥屋の話をしていたら、青木くんも休憩しにやってきました。青木くんは「歯が痛い、歯が痛い。」と言っていました。「歯医者には行ったのか?」と岩田さんが言ったら、「行きました。虫歯なんです。」と言っていました。「歯は、早く治したほうがいいよ。」と僕が言って、また岩田さんがたまに行く焼鳥屋のプロパンが爆発した話の続きをしていたら、青木くんがポイポイっと何かを口に入れたのが見えました。チョコです。「うまい、うまい。」と、青木くんは言いました。「うまい、痛い。」とも、青木くんは言いました。あともうちょっと何かを言いましたが、滑舌が悪いので聞き取れませんでした。「虫歯なのに、チョコ食ったらダメだろう。」と、岩田さんと僕がシンクロしました。「いや、どうせ痛いんだから、僕、食べますよ、チョコ。」と、青木くんが強気で言いました。強木くんでした。「新しいな。」と、岩田さんと僕は結論を出して、岩田さんがたまに行く焼鳥屋がリニューアルオープンした話を続けました。

何が言いたいのかというと、「何やってもかわいいかわいい言ってもらえるのは今のうちだけだからな。」っていう青木くんに対するキムケンの名言です。

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「舞台仕込み」11/24

「百年の港」の舞台仕込みを手伝いに、門司港の「旧大連航路上屋」に行きました。
門司港まで行くんだから、昼休憩の時に焼きカレーを食べようと思いました。
JRの門司港駅を降りてすぐに、劇団員の中川ゆかりを見つけたのですが、声はかけませんでした。
9時半過ぎに会場に着きました。よく考えたら集合場所を知りませんでした。中川ゆかりはまだ来ていませんでした。しばらく外でぼーっとしていたら、キムケンが車で来ました。車から降りた瞬間に、「あぁ、タツロウは11時半集合でよかったわ。」と言いました。それは前の日に聞きたかった。
仕方がないので、時間まで控え室でだらだらしました。キムケンが「ニクフェスっていうのを、やってるらしいぜ。」と言いました。「ニクフェスって、肉のフェスですか?」と僕は言いました。「さあ。」とキムケンは言いました。僕はスマホをいじりました。キムケンもスマホをいじりました。コンちゃんがコーヒーを入れてくれました。「ありがとう。」と僕は言いました。コンちゃんが何か言いましたが、ホコリ対策でマスクをしていたので、何て言ったのかイマイチ聞きとれませんでした。僕はニコニコしました。「やっぱり肉のフェスだよ。」とキムケンが言いました。スマホで調べたようです。「じゃあ『肉フェス』ですね。」と僕は言いました。「え、うん。」とキムケンが言いました。コンちゃんが何か言ったけど聞きとれませんでした。僕はニコニコしました。「行ってくれば?」とキムケンが言いました。「全国の肉が集まるんですか?」と僕は言いました。「さあ。」とキムケンが言いました。僕はスマホをいじりました。キムケンもスマホをいじりました。コンちゃんのスマホは窓際じゃないと電波が入りませんでした。中川ゆかりが来ました。マスクをしていました。
その後、仕込みの手伝いをしました。

何が言いたいのかというと、焼きカレーは食べませんでした。

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「百年の港」稽古レポート2 11月12日

何週間かぶりに稽古に顔を出しました。「妖怪ウォッチバスターズ」をプレイするのに忙しかったからです。「妖怪ウォッチバスターズ」は、子供から大人まで楽しめるすばらしいゲームだと思います。ゲームは基本的に一人で楽しむものだと思っているので、今まで、wi-fiを利用しての第三者との協力プレイのようなことは一切やってこなかったのですが、「妖怪ウォッチバスターズ」では、協力プレイをしないとゲットできないアイテムや、協力プレイでないと戦えないボスがいて、子どもにせがまれ、仕方なしに、wi-fiを利用しての協力プレイを行ったのですが、これがまあ面白くて、初めてSNSを利用した時と同じような感覚を味わいました。というわけで、数週間ぶりの稽古場レポートです。
「妖怪ウォッチバスターズ」はニンテンドー3DSのソフトなのですが、「赤猫団」と「白犬隊」という2種類のソフトがありまして、内容が微妙に異なります。「赤猫団」にしか出てこない妖怪もいるし、「白犬隊」にしか出ないボスもいるのです。なので、すべての妖怪をコンプリートするためには、「赤」「白」両方のソフトが必要なのですが、そこで登場するのが「wi-fiを利用しての協力プレイ」です。なんと、見知らぬ人とフレンドになることによって、お互いの持っている妖怪を交換することができるのです!収集癖をくすぐられますね。僕はもう毎晩のように「wi-fiを利用しての協力プレイ」を行っているので、プレイ時間がついに200時間を超えました。なので劇団の作業に全く手がつかず、数週間ぶりの稽古場レポートとなってしまいました。
そろそろちゃんと稽古場をレポートしないと、泊さんや太田カツキから白い目で見られてしまうのですが、「妖怪ウォッチバスターズ」は、実はもうすぐ「wi-fiを利用して」更新データの配信が行われ、新しいボスや妖怪が続々と登場し、もう目が離せない状態です。その名も「月兎組」といい、なんと無料配信なのです。これはもうダウンロードするしかないじゃありませんか。最新の情報を得るために、コロコロコミックも毎月購入しています。新しいボス妖怪に備え、今のうちにレベルを上げておかないといけません。というわけで、劇団の作業もしないといけないし、妖怪のレベルも上げないといけないしで、とても忙しいため、右手でアイパッドを使って劇団の作業を行い、左手で3DSを操って「妖怪ウォッチバスターズ」をプレイしようと思ったのですが、片方の作業を行うともう片方が完全にストップしてしまうので、身を切る思いで、「妖怪ウォッチバスターズ」をプレイしています。劇団のみんな、ごめんね!
稽古では、太田カツキがおしゃれな帽子をかぶっていました。
以上、稽古場レポートでした。

何が言いたいのかというと、「百年の港」で、泊さんや達夫さんや有門さんや鵜飼さんや僕が前説をします。

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「百年の港」稽古レポート10月16日

先日、「百年の港」の稽古に顔を出してきました。久しぶりに団員と顔を合わせるから緊張すると思って、ちょっと遅れて行きました。
長机を口の字型に並べて、みんなで本読みをしていました。はやまんと宇都宮誠弥の隣の席があいていて、はやまんが席をすすめてくれたから座ったけれど、「え、はやまんと宇都宮誠弥、もしかして仲が悪いの…?」と気が気じゃなくて、最初、本読みに集中できませんでした。5分で集中できました。
ちょっと遅れて行ったので全貌はわかりませんが、「百年の港」というタイトルだけに、100年間の話をするのだろうと思いました。2015年~2115年の話ではなく、どちらかと言うと、1915年~2015年あたりの100年間なのではないかと思いました。あと、「百年の港」というタイトルなので、「港」が舞台の話っぽいなと思いました。2115年の話ではなさそうなので、「港」と書いて「スペースコロニー」とは読ませず、地球上の海に面した港のようでした。あと今回、公演会場が「門司港」なのでピンときまして、「これはひょっとしたら、門司港を舞台にした100年間の話なのかもしれない…!」と頭が冴え、長机の上にあったチラシを何気なしに見たら、あらすじの所に大体そんな感じのことが書いてありました。
今までの飛ぶ劇場にはない、かなり史実に基づいた話になりそうです。
太田カツキとは一度も目が合いませんでした。

遅れて行ったけれど、稽古が見れてよかったです。
久しぶりに団員と顔を合わせるから緊張もしたのですが、本当は、宇都宮誠弥が俺に稽古スケジュールを伝えるのを忘れていて、稽古場がわからず、稽古前に一緒にいたいすと校舎の守田くんに「今日、飛ぶ劇場どこで稽古やってる?」と聞いたら「いや、知りません。」と当然わからず、遅れました。

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「金のネックレス」9月25日

実家に帰った時、母が、父の形見の金のネックレスをくれました。
僕は普段、アクセサリーをつけません。腕時計もしません。
そんな僕に、母は金のネックレスをくれました。
金のネックレスは、金なので、重いです。形見としての重さとかではなく、物理的に重いです。絶対に肩が凝ります。肩こりに悩んでいる僕が、金のネックレスをつけるはずがありません。
でもせっかくくれたので、ちょっとつけてみました。
まず、留め具の外し方がわかりません。金のネックレスは、留め具も金なので、爪にぐっと力を入れて外そうとしても、爪が負けます。5分くらい留め具と格闘しましたが、外れないので、輪っかになった状態のまま、頭からかぶりました。途中、ネックレスがくさり状になっている所に髪がからまって大変なことになりましたが、なんとか頭を通り、首の位置におさまりました。
似合いません。
全然似合いません。予想以上でした。鏡を見てびっくりしました。僕は帽子が似合わないのですが、帽子以上に金のネックレスは似合いませんでした。おカネを持っていないのに、見栄をはって金を身にまとっている人に見えました。見えるも何も、その通りです。
金のネックレスをつけた姿を、母に見せたら、無言でした。「あ、こいつ、『似合わねえ。』って思ってるな。」と思いました。何も言わなくてもわかります。演劇人は、そういうのを察する能力に長けているのです。
母が何も言わないので、「なんで金のネックレスを俺にくれたの?」と聞いてみました。そうしたら、「金のレートが高い時に、売ればいい。」と言われました。売れるか!
母は返品を受け付けなさそうだったので、持って帰ることにしました。「持って帰るから、ケースをくれ。」と言いました。「ケースはない。」と言われました。しょうがないので、金のネックレスをスーパーのビニール袋に入れて持って帰りました。
金のレートに詳しい方、高い時に僕に教えてください。
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「休日」9月8日

この前の日曜日、子どもと奥さんが職場の人と野球観戦に行ったので、僕は丸一日、自分一人の時間ができました。僕は一人の時間を定期的に確保できないとイライラするので、奥さんがそのようにはからってくれました。ありがとうございます。
その日は鵜飼さんの「花、盛ル。」を観劇することにしていたので、昼前に家を出ました。バスで小倉に出たのですが、バスの中で高校生が、「担任の先生がめっちゃ怒るから早く卒業してえ。」というような内容の愚痴を言っているのを聞いて、「俺、今年で35になるけれど、けっこう毎日怒られるよ。」と思いました。口には出しませんでした。
平和通りでバスを降り、あまりお腹は減っていなかったけれど、このまま観劇すると、絶対に観劇中にお腹が鳴ると思い、うどんを食べることにしました。「『花、盛ル。』を見ている最中に、俺の腹、鳴ル。」などとどうでもいいことを考えながら歩きました。
丸亀製麺に行こうと思い、商店街のアーケードを小倉駅の方に向かって歩きました。丸亀製麺がアーケード沿いにあることは把握していたのですが、平和通りから歩いてどっち方面にあるのかは覚えていなかったので、賭けでした。確率は50%です。
小倉駅に着きました。50%の確率をはずしました。引き返しました。
丸亀製麺は何回か利用したことがあるのですが、商店街の店舗に行くのは初めてでした。カウンター席のような所に座り、釜揚げうどんを食べました。案の定、白いシャツにめんつゆを飛ばしました。僕はうどんを食べると、ものすごい確率でめんつゆを飛ばします。50%を軽く超えていると思います。
食べ終わるともういい時間だったので、劇場へ向かいました。歩きながら、口の中がなんだかもごもごするなと思ったので、リバーウォークのトイレで鏡を見ると、前歯にがっつりネギがはさまっていました。開演前に鵜飼さんにカッコ良くあいさつするつもりだったので、あぶねえ、あぶねえと思いました。
劇場に着いたらちょうど開場した所で、人がたくさん動いていました。人がたくさん動くと、僕は極力誰とも目を合わせないようにするので、うつむき加減でチケットのやりとりをしました。その時点で鵜飼さんにカッコ良くあいさつすることは忘れていたのですが、ロビーに鵜飼さんが立っていて目が合ったので、軽く会釈だけしてすぐ劇場の中に入りました。ネギがはさまってようと関係ありませんでした。
僕はなるべく、開場したらすぐに劇場の中に入って、2~30分間ぼーっとするのが好きです。「花、盛ル。」の時もぼーっとしていたら、開演の5分前くらいにブルーエゴナクの穴迫くんが入ってきて、僕の近くに座りました。小さい声で穴迫くんが、「おつかれさまです。」と言ったので、僕はくちびるの動きだけで「おつかれさまです。」と返しました。伝わってるといいな。
「花、盛ル」を見て、刺激を受けました。俺も何か書こうと思いました。終演後のロビーはたくさん人が動いているので、誰とも目を合わさずに劇場を後にしました。とりあえず旦過のモスバーガーに行こうと思い、歩きました。僕はお芝居の理解力に乏しいので、歩きながら、あのシーンはどういうことだったんだろうとか、どういうルールで動いてたんだろうとか、考えながら歩きました。考えながら歩いたのでどういう道を通ったか覚えていないのですが、無事、旦過のモスバーガーに着きました。
旦過のモスバーガーでコーヒーを注文し、「よし、俺も書くぞ。」と、ノートパソコンを開いたら、モニターが指紋とかよくわからない汚れとかでかなり汚くて、「こんなに汚いモニターで『花、盛ル。』のような作品が書けるか!」と自分で自分を叱りました。そしてモスバーガーの口を拭く紙で、ちょいちょいとモニターを拭きました。絶対に鵜飼さんの家のパソコンのモニターの方がきれいだろうと思いました。
気合いを入れてパソコンを立ち上げたものの、書きたいことが特になかったので、とりあえずカバンに入れてきた山崎ナオコーラさんの「浮世でランチ」を読みました。
「浮世でランチ」に熱中して、2時間が経過しました。ずっと座っていて腰が痛くなったので歩こうと思い、モスバーガーを出て、商店街のドトールコーヒーに行きました。ミルクレープが食べたくなったのです。
ドトールコーヒーのレジはすいていたのですが、客席のある2階に上がると大混雑していて、失敗した、と思いました。しょうがないので隅っこに座り、ミルクレープを食べ、「浮世でランチ」の続きを読みました。
20時頃に店員さんが来て、「閉店です。」と言われました。早えな、と思いました。あと数十ページで読み終わるのにと、もやもやしたままドトールコーヒーを出ました。結局「花、盛ル。」で受けた刺激は書く方に持って行かず、「浮世でランチ」を読む方に全部持って行きました。
その後、野球観戦を終えた奥さんと子どもと合流し、晩ご飯を食べに行きました。晩ご飯は奥さんとのリクエストで資さんうどんでした。肉うどんを食べました。昼に丸亀製麺に行ったことは黙っておきました。
いい休日でした。
翌日、朝食のパンにジャムを塗っている時に、「あぁ、台本が菊枕か。」と、「花、盛ル。」のシーンの意味が急にわかりました。

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「夢の話」8月20日

僕は一人旅か何かの途中で、重いリュックを背負ってずっと歩いていて、ヘトヘトになっている。何の目的で、何県のどの辺りを歩いているのかもわからない。日本昔話に出てきそうな田園風景の村にやってきて、田んぼで農作業をしている人に話しかけたら、南河内万歳一座の内藤さんだった。「おう、うちで飯を食っていけ。」と言うので、遠慮なく家に上がらせてもらい、蒸したイモをごちそうになった。お腹がいっぱいになったら、内藤さんが「映画でも見に行くか。」と言うので、遠慮なくご一緒させてもらった。内藤さんの家から歩いてちょっと行くとイオンがあって、イオンのシネコンで映画を見ることにした。内藤さんが「ポップコーン、食べるか?」と言うので、遠慮なく塩味のポップコーンをごちそうになった。「見たい映画を見ろ。」と言うので、映画を選んだんだけれど、なかなか決められず、けっこうな時間、悩んだ。その間、内藤さんは踊っていた。その後、映画を見た。何を見たのかは忘れた。映画が終わってイオンから出ると、内藤さんが「もう帰れ!」と言うので、帰った。
という夢を見た。

何が言いたいのかというと、「百年の港」の情報を公開しました。

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今年の頭からサイトの調子が悪くて日記の更新ができなかったので、ここ半年くらいの日記はこちらのブログに書いています。
それより前の日記は、消えました。